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アレなんだよなぁ〜!?

 松田優作+丸山昇一 未発表シナリオ集

【著者】松田優作・丸山昇一【出版社】幻冬舎・幻冬舎アウトロー文庫【ページ数】571ページ【発行年】1995(1997)

【読後感】

 読み終えた後、解説に述べられていた山根氏の言葉が最初は空々しかった。しかし、自分が本書を読んでいた時には正にこのトランス状態であった。本書に掲載されている

 「荒神」「たった一人のオリンピック」「船頭・深谷心平」「プロデュース」(丸山氏贈呈作品)「チャイナ・タウン」「緑色の血が流れる」の6作品は今までの優作の出演映画・TV とは全く趣が違ったものである。もし、彼が生きていれば、何作品かは映画化されたかもしれない。

 それは裏返して言うと優作が死んでしまったら絶対にフィルムにならないということだ。それほど、丸山は全ての脚本の主人公を強烈に優作を頭に浮かべながら書いている。それぞれの主役名は「ゴロ」「岡本和夫」「深谷心平」「背川利行」「ブン」「甲田某」の6つ。

 何故、生前に映画化されなかったかは 当時の「優作のイメージ」「早すぎた企画」この2つに尽きるのではないか。ファンならば"優作映画"6本立てを絶対に見逃す手はない。それはこの二人の世界に少しでも足を踏み入れることにより自分自身も「共犯者」になれるからである。

 少々、分量は多いかもしれないがそれぞれの作品が貴方を飽きさせることはないと断言出来る。丸山氏を始めとして挿入される関係者の話も実に興味深い。



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