Yusaku Market 松田優作さんのDVD、ビデオ、CD、本などが、 詳細な年表を見ながら、購入可能です。 アレなんだよなぁ〜!? |
---|
優作トーク talk&talk
【著者】山口猛【出版社】日本テレビ【ページ数】293ページ【発行年】1995
【読後感】
これも山口氏の著書。当時、マスコミでは「トーク嫌い」と言われていた松田優作氏の年代や作品別に26本のインタビューを掲載している。この流れの中で優作は作品毎、年代毎、人間毎などにインタビューのニュアンスが微妙に変化している。
これは私の勝手な解釈ではあるが松田優作という男は大きく分けると3つの基準で人間の付き合いを考えている。
1つは同年代や下の年代で「水谷豊」「森田芳光」のように"感性"で分かり合える人物、2つ目は年代は離れているが「原田芳雄」「深作欣二」「吉田喜重」「鈴木清順」などのように映画人として"尊敬"に値する人物、最後の3番目はそれとは逆に「伊丹十三」のように"感性"も鈍くて合わず、映画人として全く"尊敬"に値しない人物という具合に...。
だが、男の性で女性はこの限りではないということだ。本書のインタビューを読むとこの事が如実に浮かび上がってくる。だからおそらく彼に「トーク嫌い」とレッテルを貼っていた人々というのは3番目の人物達なのだと思う。
優作という人はこういう人物達には自分の腹を割って話すということをしたくなかったのだろう。本書ではそういう優作の人間に関する拘り、映画に対する拘り、生に対する拘りを十二分に感じることが出来る。
また、最後に総評的に山口氏が数々のエピソードや優作の拘りを見極めた上で独自に彼の映画作品を分類し、それぞれの時代を論じている文章は秀逸。この締めの文章と優作の様々な言葉の中から彼の人柄に触れてみたい方々には本当に奨めたい1冊である。(写真多数)