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松田優作 遺稿
【著者】山口猛【出版社】立風書房【ページ数】293ページ【発行年】1998
【読後感】
遺稿-発表しないで死んだ後に残った原稿。本書で山口氏も述べているように「松田優作」にはこれらが予想以上に存在していた。
「戯曲」「創作ノート」「脚本」「歌詞」などいろいろな形式はあるが何と883枚もの紙に足跡が残されていた。全体の構成は創作ノート「つねひごろのことのぶるーす」、後に歌詞となった詩が23編、戯曲「真夜中に挽歌」第一稿/第二稿、最後は山口氏が俳優仲間に声を掛け、優作が当時、主宰していた「F企画」を中心に据えて、松田優作にとっての演劇、戯曲を当時の彼の週刊誌でのインタビュー語録を交えながら論じている。
途中にはファンには垂涎ものの詳細な「松田優作年表」などが挿入されている。締めとして、これだけの文章を残していた松田優作が何故書かなくなってしまったか?を氏は優作との深い関わり合いの中から推論している。ある人物との出会い、宗教との出会い等々...。
一体何が引き金になったのかは亡くなった今となっては分からない。それにしても「深い人間性を醸し出した男である」と読み終わってから改めて感じずにはいられなかった。本書はファンはもちろんだが死んでから彼のことを知った人々にも是非、読んでもらいたい。
特に戯曲「真夜中に挽歌」は当時、色々な事(SF、宗教、権力、無能など)に興味があるがどれも実生活では昇華し切れていない自分を舞台で表現したいという彼の嗚咽が聞こえてくるようである。(当時の写真もふんだんに配されている)