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アレなんだよなぁ〜!?

 松田優作伝説

【著者】五十嵐勇吉【出版社】ジャパンミックス【ページ数】221ページ【発行年】1998

【読後感】

 "優作ファンのための優作ファンによる松田優作メモリアル・ファンブック"という帯にある言葉は即刻取り下げた方が良い。"自分のための自分自身による五十嵐勇吉自己満足本"としかいいようがない。

 「優作コレクター」を自認する編集人の五十嵐氏なのだが本書に掲載しているものは新聞の切り抜きが殆どで目新しいコレクションは殆どない。巻末にある氏のプロフィールを見てみると本業は百貨店勤務で実は優作じゃなくて「荒木一郎コレクター」であることが暴露される。

 もし、本書で見所があるとすれば、「荒木一郎の特別寄稿」や「石橋蓮司のインタビュー」、「ゆかりの地の特集」くらいか。

 エッセイは思い込みが強過ぎる上に決定的な間違い(工藤俊作の煙草を例の如く"マルボロ"としている。本当は"キャメル")を犯している。一番、酷かったのは挿し絵に使われている似顔絵が全く似ていないことだ。

 それに輪を掛けたのが最後の「松田優作は生きている」というアニメ。これはコメントのしようがないほど情けない。百歩譲って、この本を薦めるとしたら「ブラック・レイン以降の優作ファン」つまり、「優作初心者」に少しでも優作に興味を持ってもらうためにはいいかもしれないということか。

 ただし、「本当の優作フリーク」には見るべきデータは全くないと言っても過言ではない。これをインターネットのHP上で展開していたら未だ許されたかもしれないが少なくとも印刷に回すだけの価値はないだろう。(2月末発売予定が6月末までスライドしたが内容はこんなものかという感じだった)

 『木を見ずして森を見る』そんな著書であった。



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