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12. 蘇える金狼 YOMIGAERU KINROU
【出演者】松田優作、風吹ジュン、成田三樹夫、小池朝雄、草薙幸二郎、岸田森、佐藤慶、結城しのぶ、真行寺君江、岩城滉一、加藤大樹、加藤健一、江角英明、阿藤海、椎谷健治、吉岡ひとみ、村松克己、高橋明、トビー門口、河合紘治、山西道広、尾上一久、関川慎二、飯田広幾、司千四郎、団巌、榎木兵衛、達純一・鹿島研・城野勝巳・長井勝・和田敏夫・君塚正純・高橋利道(野生軍団)、井上高志、大竹義夫、萩原紀、二家本辰己、芹沢洋三、エミリー岡田、中島ゆたか、角川春樹、田畑靖男、猪狩元秀、南原宏治、待田京介、久米明、今井健二、安部徹、千葉真一【監督】村川透、小池要之助(助監督)【脚本】永原秀一、大薮春彦(原作)【音楽】ケーシー・D・ランキン、前野曜子(歌)【撮影】仙元誠三【製作】角川春樹【プロデューサー】黒澤満、柴垣達郎、伊藤亮爾【製作会社】角川春樹事務所【製作年】1979【上映時間】131′【封切日】1979.8.25
【あらすじ&感想】
角川映画。
3億円事件を真似て白バイ警官を装った男が共立銀行警備員を殺し、1億円の強奪に成功する。その現場の近くに東和油脂という会社があり、そこの経理部に朝倉哲也(松田優作)という真面目そうな男がいた。一見、この二つは全く結びつかないようであったが実は強奪事件の犯人がこの朝倉という男だった。
警察の発表した犯人像は「銃に詳しい者」「格闘技に通じている者」という事である。気弱そうに変装していた朝倉は実際は会社に内緒でボクシングをやっていてその実力はプロ級であった。しかも同時に詳細な銃の知識も持ち合わせていた。裏の実像は警察の発表した犯人像とピッタリだったのである。
しかし、一つだけ朝倉の誤算があった。実は盗んだ紙幣の番号が全て控えられていたのだ。その事実を知り、彼はこれを実際に使うためにヘロインの密売をしていた市会議員.磯川(南原宏治)に近づく。様々な危険を犯しながらも磯川との取引を成功させる。
その一方、朝倉は自社の不正経理によって公金横領をしていた上司達の事実を掴む。彼は小泉経理部長(成田三樹夫)の女.永井京子(風吹ジュン)に近づき、薬で自分の女にすることで部長の情報を得ようとする。また、直属の上司.金子次長(小池朝雄)が自分の女の事と会社の経理の事実を掴んだ桜井(千葉真一)と名乗る男に強請られる。
社長以下事件に絡む人間達は興信所の石井(岸田森)に頼んでこれらをもみ消そうとするが桜井の逆襲を受け、ますます事件の収拾が困難になる。この経過を京子から知り得た朝倉は今度は自分から売り込むことにより、呼び出しを受けた社長からの殺人の申し入れを重役にしてやるという条件と共に引き受ける。
殺人の依頼は成功させた朝倉だったが上司達の実際の考えは彼の思い通りにはならなかった。そして、葉山の別荘に乗り込み自己の欲望全てを手に入れたはずの朝倉に残されていたものとは...。
磯川グループとある小島(猿島)でヘロインの取引をするために彼の部下の者達を磯川と会う前に全て殺してしまったシーンが印象に残る。あれは同年に撮影された遊戯シリーズの鳴海章平を彷彿させる。
また、風吹ジュンとの絡みはハードになり過ぎる画面を和らげる役割を果たしていた。それにしても最初に出てきたボクシングジムの社長役.角川春樹は大根役者過ぎる。彼は職権を乱用して自社の他映画にも出ているが出たがりとしか言いようがない。だが、全体としてはよく大薮春彦のハードボイルドの世界を表現出来ていたと思う。