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14. 切れたザイル
【出演者】渡哲也、(仁科明子)、(松田優作)、小野武彦、峰竜太、神田正輝、苅谷俊介、小山田宗徳、高品格、美田麻紗子、舛田紀子、森正親、早川雄三、片岡五郎、永島暎子、榎木兵衛、瀬良明、高松豊治、内田宏、和甲拓、近藤晴美、丘みつ子、石原裕次郎【監督】舛田利雄【脚本】永原秀一【音楽】GAME[FUN CITY](音楽)、ポリドールレコード(音楽協力)、鈴木清司(編曲)【撮影】仙元誠三
【あらすじ&徳のかましギャグ】
ビルの屋上から人が落ちた。この時、折り悪く徳吉は出張中。地面に叩きつけられたのはそのビルにある「天満不動産」の勤務する磯野孝士という24歳の青年である。彼は10〜15分で戻ると同僚に告げ、屋上に行った。
しかも二ヶ月後に結婚を控え、自殺の動機がない、そして屋上には眼鏡の割れたレンズ、地上にはフレームだけがあったということから他殺の線で捜査は進められた。その直後に夜道を歩くサラリーマンが何者かにナイフで刺殺される。
彼は大手の萩原重工に勤めるこれも24歳の沢弘之という男だった。彼らには年齢以外に共通点があった。同じ大学を2年前に卒業した上に山岳部で一緒だったのである。その報告と同時に署では殉職した平原に代わる新人の紹介が課長を通じて行われた。
一人は6年の交番巡査勤務を経て、城西署に配属された宮本兵助(苅谷俊介)、通称・ベンケイともう一人はいかにも優等生な城北署時代の課長の部下だった神総太郎(神田正輝)、通称・ジンである。黒岩は彼らの態度から「プロとして飯を食え」と苦言を呈する。神は黒岩に宮本は丸山に同行して捜査することになる。丸山は宮本と火葬場に向かい、磯野のフィアンセだった畑野フミコ(永島暎子)に事情を尋ねる。
大学で1年後輩の彼女は言いにくそうに今年5月2日ゴールデンウィークの谷川岳の件を話した。そこで田島和彦という一人のメンバーがザイルが切れて転落死したというのだ。その時のメンバーというのが殺された二人の磯野と沢それと田島。後は山際恭だけが残っていた。
そして、当時この事故を田島の父親(早川雄三)は「3人に息子は殺された」と警察に泣いて縋っていた。この父親は息子のために磯野と畑野の関係も引き裂こうとした。彼は人夫から今の田島建設を築いただけに少々強引な男だった。こういう状況の中で丸山と宮本が訪ねる中で山際は保護を求める。
一方、黒岩と神の前で息子に託した夢とアリバイを雄弁に語る田島の父親。黒岩は山際を渋谷病院に保護することを決断する。そこで大内は丸山に田島の父親が殺しを依頼したのは使っている日雇いの労務者じゃないかと提言する。
その労務者が居酒屋で自ら頭を打ち付け、階段から落ちたのは丁度その頃であった。丸山と大内はこの事実とは別にある労務者(榎木兵衛)から一ヶ月前に労務者同士の喧嘩があり、やられていた一人を社長が連れていったと証言する。
それが松尾ノブヨシ(片岡五郎)という36歳の男で階段から落ちて、計画的に渋谷病院に運ばれたのは彼であった。その時にはアリバイを証明された田島の父親は上条が尾行する中、クラブで豪遊していた。
他方、黒岩と神が病院で山際を両サイドで保護していた時、突然の非常ベルで黒岩だけが飛び出した。後に残された神と山際の前には計画を遂行しようとする松尾の姿があった。
結局、銃が撃てなかった神を後目に逃走された松尾を黒岩は別れた妻のところに帰ると読んだ。その読み通りに松尾は所沢で逮捕される。ここで黒岩は課長に頼んでマスコミを通じ、一芝居打つ。その芝居の効力で松尾を護送する途中にライフルを持った田島が姿を現すのだが...。