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アレなんだよなぁ〜!?

33. 刑事失格

【出演者】渡哲也、(仁科明子)、松田優作、小野武彦、峰竜太、神田正輝、苅谷俊介、滝田裕介、高品格、美田麻紗子、森正親、舛田紀子、片桐竜次、片山由美子、野瀬哲男、守屋俊志、中島元、関口久美子、山口三恵子、石川敏、大宮幸悦、(丘みつ子)、石原裕次郎【監督】山崎大助【脚本】永原秀一【音楽】GAME[FUN CITY](音楽)、ポリドールレコード(音楽協力)、鈴木清司(編曲)【撮影】仙元誠三

【あらすじ&徳のかましギャグ】

 小さなトンネルを抜けると小階段の上には通り魔の被害者がいた。2,000円の所持金を取られ、肩を刺されたその男の証言で犯人は「目つきが悪い」「短い髪」「目の下に古傷」という特徴がある事が分かる。

 近くでは血の付いた折り畳みのこうもり傘が発見された。黒岩は犯人の特徴からある男が脳裏に浮かぶ。それは川村テツオ(片桐竜次)という男だった。彼は三ヶ月前にある刑務所を出所していた。その身元引受人が何と丸山刑事である。彼は川村の「更生する」という言葉を信じ切っていた。

 調べざろう得なくなった丸山は車に同乗する上条に川村の生い立ちを話した。戦災孤児の川村は今まで何一つ良い事をやって来なかった。恐喝、窃盗を含め前科五犯。そんな彼が更生するという言葉を信じて、丸山は身元引受人になったのだった。

 川村にはシゲコ(片山由美子)という妻がいた。まともな家庭を作るために川村は彼女を水商売から足を洗わせたとの事であった。二人はどうも留守のようである。身元引受人だという責任感から丸山は合い鍵を使って、上条の制止も聞かずに中に入る。部屋は荒れ放題だった。

 これでも丸山は心の中で彼の無実を信じていたのだがそれを打ち壊すような証拠が挙がった。現場に落ちていたこうもり傘から彼の指紋が検出され、ガイシャも顔写真から川村だと認めた。黒岩軍団は「狂犬」が野に放たれ、今後も犯行を重ねる可能性があると判断して緊急捜査に突入。

 だが、合点がいかない丸山は黒岩に「川村がどうしてこうなったか?調べさせてくれ」と懇願する。一方、川村は刑務所で一緒だった弟分と一緒にいた。弟分は「たたき」をやりながら何か「デカイ仕事」を狙っていたが川村はそれとは別の目的があるようであった。

 そんな折りに丸山は川村が自分の口利きで働いていたパチンコ店を訪ねる。店主からは「彼は非常に真面目にやっていた」という証言を得る。しかし、犯罪は繰り返された。2番目の被害者が出たのだ。腹を刺されたガイシャは重体。

 そのガイシャは川村の犯行を認めた上でもう一人若い男がいたと担架で懸命にコメントした。夜遅く、署では神が丸山の煮え切らない態度を非難する。黒岩は丸山に休息を取ることを勧める。けれど、それに従わない丸山は川村の行き付けの小料理屋を訪ねて、女将から重要な証言を入手。

 それは川村が「もの凄い顔をして、妻をぶっ殺してやる」と息巻いていたという決定的な事実だった。妻・シゲコは水商売に舞い戻っていた。その勤め先、踊り子キャバレー「ハリウッド」に調べを入れる丸山。

 そこの支配人は「昨日、血眼になって変な男が探しに来た」といい、源氏名・さゆりで出ているシゲコは「2日ほど休んでいる」と話す。シゲコの現在住んでいるマンションは教えてくれた。だが、何故かそのシゲコに電話を入れる支配人。そのマンションを深夜にも関わらず、丸山は訪ねる。

 シゲコは丸山だということは確認したが「夜が遅い」と冷たくドアを閉める。その頃、川村は小西アキラ(野瀬哲男)という弟分に「腐れ女を殺したらデカイ話に乗ってやる」と言い放つ。そんな川村と小西を上条と宮本が発見し、逮捕しようとするがまんまと逃げられてしまう。

 課長に大目玉を食らう二人。そんなタイミングに丸山は川村の動機について、課長に電話を入れたが冷たく切られてしまう。翌日、美容院でシゲコに川村との経緯を尋ねる丸山。彼女は実は今、キャバレーの支配人と懇ろになっていたのだ。

 経済的な理由から彼女は既に川村を完全に裏切っていた。丸山は「川村が貴方を狙っている」と告げるが一笑に付された。他方、川村と小西は例のマンションにシゲコを訪ねたがいなかったのでそこにいた愛人のキャバレー支配人を痛めつけ、シゲコの居場所を確認する。

 遂に川村は美容院に現れる。丸山はシゲコを守るというよりは川村に殺人を犯させないために拳銃を向ける。その上「説得出来ないならば、刑事失格だ」と発する。だが、感情的になっている川村はそんな事にお構いなく、シゲコに迫る。

 それを救ったのは川村に暴行を受け、気絶しそうになりながらも丸山が拳銃を必死に発砲したことだった。渋谷病院に運ばれたシゲコは全治一週間の軽傷で済む。丸山はその時、宗方から二番目の被害者・天野氏が危ないことを聞く。

 署に戻り、意を決したように丸山は荷物をまとめ出す。「自分は刑事としてもう潮時」だと・・・。

 そんな彼に黒岩は「自分を見失っているのはマルさんだ」と叱咤した上で「単独捜査は止めてくれ」と命令する。重体の天野氏は結局、亡くなってしまう。丸山を「署に絶対にいるよう」に指示して、黒岩は捜査に出掛ける。

 彼は徳吉と行った病室のシゲコの顔を見て、ある作戦を思いつく。それは顔の造作が似たお茶くみの幸子をシゲコの囮に使うことであった。宗方も間違えた幸子の変装にまず小西が飛びつく。この作戦の中で黒岩は丸山を連れ出す。

 「自信を取り戻してくれ」と必死に語る黒岩と抜け殻状態の丸山の前に遂に川村が現れることになるのだが...。

 BGM・都はるみ「涙の海峡」、渡哲也「ひとり」

 徳のかましギャグ 「ちょっとトロイんじゃないんすかこの女」「俺のタイプじゃないしねぇ〜似てるのいますかこの手で」「マルさん、まだまだ若いっすなぁ〜」



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