大都会PART２--３６話　挑戦

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36.　挑戦

【出演者】渡哲也、(仁科明子)、松田優作、小野武彦、峰竜太、神田正輝、苅谷俊介、滝田裕介、高品格、舛田紀子、森正親、白川望美、美田麻紗子、柴田恭兵、黒部進、山岡甲、堀礼文、晴海勇三、庄司三郎、小池幸次、篠田薫、小坂生男、永野明彦、大宮幸悦、森岡隆見、松井恭子、丘みつ子、石原裕次郎【監督】村川透【脚本】金子成人【音楽】GAME[FUN CITY](音楽)、ポリドールレコード(音楽協力)、鈴木清司(編曲)【撮影】仙元誠三

【あらすじ＆徳のかましギャグ】

　スパイダー型のサングラスを掛けたあんちゃん。彼は渋谷病院に入っていった。目的は吉野に会うこと。吉野は彼に会うとにこやかな表情を浮かべた。「刑務所を先月出所した」という彼に「ちゃんとやってるの？」と心配顔で聞く吉野。

　前科者に対して世間は冷たく、依然無職だった。彼は清水ロクロウ(柴田恭兵)といい、自動車泥棒で黒岩に捕まる前に「格闘」を挑んだが柔道5段、空手3段の彼に徹底的に叩きのめされたという過去があった。しかも、20歳なのに「ボウヤ」とガキ扱いされる。

　それが粋がるロクロウには少し心に引っかかっているようであった。この出来事を伝えようと吉野は黒岩に電話を掛け、夕食に誘った。一緒に食事をしていた松ヶ枝で徳吉に冷やかされる二人。そんな吉野に宗方から「病院から輸血用の血液が盗まれた」と連絡が入る。

　病院に行くと宮本が代用の血液として献血させられる。一方、ロクロウは良からぬ事を考えていた。それは「黒岩を笑いものにする」という目的で仕組まれた。ロクロウは弟分センスケ(山岡甲)とヒロシ(堀礼文)を引き連れ、埠頭で架空の殺人事件をでっち上げようとした。

　渋谷病院から盗んだ血液を使い、ナイフにそれを付着させ、マネキンを頭陀袋の中に入れて、海中に沈める。それから車を急発進させ、タイヤ音を残し印象づける。ロクロウは黒岩への復讐に内心、ほくそ笑んだ。自分と黒岩を「ムサシ」と「小次郎」になぞらえてまで。

　彼の計画は順調に進み始めた。血の付いたナイフからはロクロウの指紋が検出され、午前2時頃に埠頭で急発進する車の音を聞いた者も出現。ロクロウは黒岩軍団によって直ぐに逮捕された。黒岩と徳吉の取り調べに対して、ロクロウは「殺人事件なら死体を見せてくれ」とすっとぼける。

　丸山が彼らの使った車を発見し、センスケとヒロシも逮捕される。留置されるロクロウに心配げな目を向ける今日子。彼らを連行し、現場検証が始まる。海中から引き上げられる頭陀袋。その中には何と本物の死体が入っていた。身元は直ぐに判明。

　倉吉ユウイチロウという民友党の代議士でその上、竜神会というヤクザ組織の顧問もやっている大物だった。彼の仲介で針尾組との合併が進んでいたが中には反対派もいるとの情報を掴んでいた。あろうことか倉吉の血液型がナイフの血液型と一致してしまう。

　殺人者になってしまったロクロウは針尾組との繋がりもあった。このままでは殺人罪になってしまう3人は正直に「渋谷病院から血液を盗んだこと」と「黒岩を陥れるために偽装殺人を企てたこと」を吐く。そんな折りに竜神会の代貸・下田と針尾組の若頭・井沢(黒部進)が城西署を訪れる。

　だが、二人とも合併の妨害工作はなかったと言い切る。ロクロウが関係があるといった井沢も彼のことは知らないと白を切る。そして、血液の細かい部分が分かる。死体の血液型は「A2型B」でナイフに付着した血液型は「A1型B」であった。ロクロウ達の無実は証明された。

　だが、彼らの計画が漏れていたことは明白だった。ロクロウは罰として、渋谷病院での献血が義務づけられる。それでも粋がる彼に黒岩は「喧嘩ならいつでも買ってやる」と応戦。その直後、合併に反対している急先鋒が井沢だと判明する。直後、ロクロウ達は釈放される。

　だが、彼らには尾行がついた。間もなく、居酒屋でセンスケが井沢と接触する。実はセンスケがレンタカーの代金20,000円を借りた時、井沢にロクロウの計画を話していたのだ。しかし、センスケは井沢に呼び出され、殺害される。

　その手口は倉吉の時と全く同じだった。倉吉も殺害された夜、料亭から井沢の車に乗ったことを確認されていた。ロクロウはセンスケが殺された事をヒロシから聞くと逆上する。その最中、針尾組組員(庄司三郎)が「井沢に逃げるように言ってくれ」と頼みに来る。

　針尾組から情報を得た後にそこへ向かう黒岩軍団。他方、ロクロウもセンスケの弔いのためにそこへ向かっていた。徳吉は「城西商事」に成り済まし、そこへ電話を掛ける。そこ=井沢の女のマンションで男の闘いが始まる...。

　BGM・渡哲也「ひとり」

　徳のかましギャグ　「キンタマ見せるようにはいかないもん」「お前、ほら、あの火焔放射器のなぁ、あの暴走族によく似てるんだよ～俺、好きなタイプなんだよ」「おいパターンのヤクザ」「あっ、あのいつもお世話になっております。えっ、黒岩印のえっスキン・・・ご存じない？いつも使ってるじゃありませんか。え～、1日に3回ぐらい。使ってない？そらおかしいですね。あの耐久性がありましてねぇ。えっ」「おいロク、確かお前のクニは長州は下関だったけなぁ～」「いや、川崎の方へ」「指名手配の男なんだ。明日の朝刊に載せようか」

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