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39.　グッドバイ1977

【出演者】渡哲也、(仁科明子)、松田優作、小野武彦、峰竜太、神田正輝、苅谷俊介、滝田裕介、高品格、美田麻紗子、森正親、舛田紀子、佐原健二、鳥巣哲生、長谷川弘、寄山弘、橋本菊子、山根久幸、小寺大介、小坂生男、相原巨典、飯田テル子、山口三恵子、高沢聖子、柚木悦子、種村まり子、丘みつ子、石原裕次郎【監督】村川透【脚本】斎藤憐【音楽】GAME[FUN CITY](音楽)、ポリドールレコード(音楽協力)、鈴木清司(編曲)【撮影】仙元誠三

【あらすじ＆徳のかましギャグ】

　街中の電光掲示板には「グッドバイ1977」の文字が映し出されていた。慌ただしい大晦日の最中、刃物を持った初老の男が強盗に入り、金持ち風の口ひげ男を脅していた。だが、カナリアに気を取られている間に形勢は逆転した。そして、この事件には過去に遡った理由があった...。

　その頃、城西署管内では連続4件の窃盗事件が未解決になっていた。課長に嫌みを言われ、発破を掛けられる黒岩軍団。皆がすっきりして新年を迎えたいと思っていた時、電話が入り、例の傷害事件が報告される。初老の男は下田テツオ(鳥巣哲生)といい、刃物によって刺され、重傷で渋谷病院に運ばれていた。

　金持ち風の口ひげ男は秋吉英機(佐原健二)といい、下田を刺した後も自宅に待機しているという。秋吉は商工会議所の副会長でその上、区会議員というこの地区の名士であった。秋吉邸には黒岩と神、渋谷病院には徳吉と宮本、下田のアパートには大内と上条が向かった。

　そして、下田のアパートには何と例の窃盗品が堆く積まれていた。実は彼が連続空き巣の犯人だったのだ。一方、秋吉は秘書の国広(長谷川弘)と一緒に慇懃無礼に黒岩らを迎えた。能弁に語る秋吉だったが黒岩は一つの綻びを見つける。

　それは下田の名前が発表していない内から秋吉が知っていたことだった。新聞を始めマスコミは偶然にも窃盗犯を捕まえた秋吉を英雄視した。だが、その盗品の中には気になる年代物の時計が含まれていた。

　しかも宗方の証言から下田はナイフで12ヶ所も刺されているという。どうもその辺が尋常ではなかった。徳吉の調べで時計は15年前の殺人事件の時に盗まれたものであることが判明する。黒岩が昭和37年の事件簿を洗おうと資料室を訪れた時、そこには何故だが課長がいた。

　その事件を当時、城北署で担当していたのが山本課長だったのだ。その「質屋強盗事件」のあらましはこうだ。昭和37年12月31日「足立質店」のトシコというひとり娘が両親の留守中に殺害された。周りの状況から顔見知りの犯行だと思われた。

　それでよくここへ出入りしていた秋吉が重要参考人として取り調べを受けた。彼は映画館で「キューポラのある街」を見ていたとアリバイを主張した。それを証明したのが何と下田だったのだ。そして、この殺人事件は今日の夜12時で時効を迎えるのだった。

　下田はこの事実を3日前の東洋新聞の記事から分かっていた。それで裕福な生活をする秋吉の所に脅しに行ったのだった。あと時効まで12時間と迫っていた。だが、15年前ということもあり、周辺の環境が既に一変していた。

　当時、担当でもあった課長は時効目前ということもあり、かなり焦っていた。黒岩の制止も振り切り、秋吉の任意出頭を独断してしまう。秋吉はその事を予期しており、秘書を通じて国会議員の橋本氏に電話を掛けさせ、自分の保身を図る。

　彼の身柄を確保するのと同時に課長は記者会見を開く。しかし、取り調べは秋吉の思惑通り、国会議員から署長に連絡が入り、断念を余儀なくさせられる。その頃、渋谷病院の下田は危篤状態であった。がっくり肩を落とす課長に黒岩は「まだ時間はある」と励ます。

　彼は更に「両親がいない時に偶然に質屋に行ったのもおかしい」と疑問を呈し、トシコの両親に事情聴取を試みる。父親はもう事件を忘れたがっていたが母親の方は少し間をおいて、黒岩と課長に話をすることを決心する。彼女の話によると事件の数日前から店のお金がなくなっていた。

　それは実は秋吉と付き合っていた娘が貸していたと証言する。それは12万円という大金であった。外にはこの様子を窺う秋吉の秘書の姿。

　一方、丸山の報告により秋吉は商工会議所の忘年会に出ていた。黒岩はその隙に秋吉邸の家宅捜査を命じる。秋吉は秘書からトシコの母親が刑事と話していたという事を聞き、もう時効まで逃走するしかないと決意する。

　遂には料亭で包丁を掻っ払い、大晦日を楽しく過ごす一家のアパートに乱入し、女の子を人質にまで取ってしまう。人質がいるために手出しが出来ない黒岩軍団、時効目前に焦る課長。その突破口は渋谷病院にいた下田が放つ意地のモールス信号だった...。

　BGM・クラシック、ピンクレディー「渚のシンドバッド」、ゆく年くる年、除夜の鐘

　徳のかましギャグ　「秋吉久美子の秋吉に東条英機の英機だ」「サーしか言えんのかサーカス娘」「ホシ、巨人の」「じゃぁ、やめちゃおうか〜」「あらゆる犯罪は革命的である。人殺しにも人権があるんだよ」

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