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アレなんだよなぁ〜!?

MOVIE 7
【551-560】



551.ストレンジャー NEVER TALK TO STRANGERS

  • レベッカ.デ.モーネイ、アントニオ.バンデラス、デニス.ミラー、レン.カリュー、ハリー.ディーン.スタントン、ユージン.リピンスキー、マーシャ.バーンズ、ビュー.スター、ピーター.ホール(D)/1995/85′/97.3.28
  • 連続殺人の容疑者マックスの精神鑑定を依頼されたサラ.テイラー精神科医。彼女は多重人格を楯に心神喪失を主張する彼の向こうに自分を通して何かを見ていた。彼を犯人と決めつけるサラはある日、スーパーのワイン売場でトニー.ラミレスというプエルトリコ出身の男に出会う。何故か一年前にベニーという彼氏に捨てられたサラは男性不信だったがトニーといつしか恋に落ちてしまう。「匂いをかぎ合い」付き合う内にサラはトニーが今は警備コンサルタントで生計を立て、元刑事だったことを知る。その直後に彼女に最初の嫌がらせが起きる。それは「奇妙なドライフラワー」だった。次には「新聞におけるサラの死亡記事」とエスカレートしていった。サラはトニーに疑問を抱き、私立探偵を雇い彼を調査する。そして、トニーが彼女の過去を探っていることが分かる。その後に彼女を襲う「飼い猫の死」と「部屋に記してあった侮辱的な文字」によって彼女の不安と怒りは一層高まる。実はトニーに呼び出され彼の部屋に行くサラとそこで会う父ヘンリーとの間には忌まわしい過去が存在した。そしてその間に入ったトニーの運命は...。最初は穏やかな表情だったサラ演じるレベッカ.デ.モーネイが段々過去を暴かれていく内に次第に表情が変わっていき、それは「ゆりかごを揺らす手」に出演していた彼女を彷彿とさせた。また、トニーに扮するアントニオ.バンデラスの二重人格的な演技は最後の場面までこのフィルムを大いに盛り上げたと思う。自己の深層心理に基づきサラはマックスの精神鑑定にあたっていたという事実はそれによってマックスは犯人に祭り上げられ、一人の人間の運命を決定してしまうことまで考えるとゾッとした。
  • @タバタクの採点 3.75/5

    552.悪魔のような女 DIABOLIQUE

  • シャロン.ストーン、イザベル.アドジャーニ、チャツ.パルミンテリ、キャシー.ベイツ、スパルティング.グレイ、シャーリー.ナイト、アレン.ガーフィールド、アダム.ハン-バヤード、ジェレミア.チェチック(D)/1996/107′/97.3.29
  • 不良少年達のためにビデオを通じて取り上げられる「聖アンセルム男子校」が男と女の愛憎の舞台となる。この学校の校長ミア、その夫で理事長のガイ、先生であり、ガイの愛人ニコールの3人がその主人公達。元尼僧のミアはガイとのセックス生活が充分ではなかった。それをミア公認で補っていたのがニコール。しかし、お金とセックスに異常な執着心を示すガイは彼女らや生徒に対して愛情の欠片もなかった。その態度に業を煮やしたミアとニコールはニコールがミアに持ちかける形でガイの薬殺を決意する。現場はニコールの母が遺してくれたピッツバーグの家。そこに誘き出したガイをウイスキーに入れた薬で眠らせ、二人は彼を浴槽にて殺すことに成功する。その後、車に分乗して死体を運び、学校のプールの中に死体を沈める。二人は死体発見の恐怖に怯えながら沈鬱な日々を過ごす。そこに何故かミアの元にガイの生存を思わせるあるモーテルからのクリーニングされたガイのスーツとフィルムが届く。この事実の中でニコールは殺害の動機の一つに彼が横領していたお金があったのだとミアに告げる。数日後、新聞にガイの特徴によく似た死体が発見されたと報道され、ミアは検死局に向かい、他人だと分かるがそこで元警察官で私立探偵のヴォーガルという女性に出会う。ヴォーガルはミアの事情を詳細に聞き、是非調査させて欲しいと執拗に頼み込む。ミアを襲うガイの恐怖、真相に段々近づくヴォーゲル、ニコールとガイの本当の関係とは...。印象深いシーンはイザベル.アドジャーニ演じる神に仕えるミアがシャロン.ストーン扮する無神論者ニコールに向かって「神に見放された孤独」を背負っていると言い放つところだ。この時、一瞬たじろぐニコールの姿が彼女の人生を物語っていたような気がする。題は「悪魔のような女」-本来はニコールのことのようだが本当に悪魔のえげつなさを持っていたのはもしかすると最後にプールの側に立っていたキャシー.ベイツが演じたヴォーゲルなのかもしれない。全編で緊張感を視聴者に途切れることなく持たせた映画と言える。
  • @タバタクの採点 3.99/5

    553.白い嵐 WHITE SQUALL

  • ジェフ.ブリッジス、キャロリン.グーダル、ジョン.サヴェージ、スコット.ウルフ、ジェレミー.シスト、ライアン.フィリッペ、ディヴィッド.ラシャー、エリック.マイケル.コール、ジェイソン.マースデン、ディヴィッド.セルビー、ジュリオ.メコーソ、リドリー.スコット(D)/1996/129′/97.3.30
  • 1960年コネチカット州ミスティックにおける実話。チャック.ギーグは父の意思により、気のすすまない海洋学校に行かされようとしていた。チャックは渋々マイアミに向かい、そこには訓練航海実践の帆船アルバトロス(あほうどり)号が停泊していた。各地から集まってきた少年達は数週間の実地訓練の後、カリブ海に向けて2万キロの航海に出発する。彼らの前に初めて立ったシェルダン船長は既に少年らの名前を全て覚えていた。そして、「自立生活の育成と共同生活への適応」という目的から「WE GO ONE,WE GO ALL」という小さな呼び鈴にあった言葉を与える。だが、様々な生活環境から来た少年達に最初からこの言葉を理解することは困難であった。その後、海でのいろいろな体験、シェルダンの行動やクルー達の言葉によって彼らに段々と変化が現れてくる。途中で自制心の欠如から海豚を殺してしまったフランクはシェルダンによって下船を命じられるが。その頃、世の中ではケネディ大統領によるキューバ.ピッグス湾への侵攻やロケットの打ち上げなど時代は確実に動いていた。そのためにキューバ船に砲撃を受け、下船を命じられたこともあったが体を張ってシェルダンは少年達を守る。そして、ようやく1年後の1961年船は目的地にたどり着きチャック曰く「ホメロスの旅」の半分を終える。けれど、帰途に彼らを待ち受けていたものは最大の難関「白い嵐」の恐怖でこの事実はフロリダ.セントピーターバーグに於いて悲劇と海難裁判をシェルダン船長及び少年達に与えることになるのだが...。ジェフ.ブリッジス演じるシェルダン船長が「CAPTAIN」ではなく、「SKIPPER」と呼ばれていたところがこの話の帆船が舞台という事実を強調させていた。それと最初の方で遅れた息子フランクを連れてくる金持ちの父親と船長が話す場面があるがこの成金的で恥知らずな行動は現在の世の中に於いてアメリカでも日本でも象徴的である。こういう人間の割合は確実に増えていて憂うべき事実なのだが。また、船長がスコット.ウルフ扮するチャックに「父親が働いているから物が買えるのだ」という場面があるがこの当たり前の事実を認識することを日本人は忘れているのか知っていてもやらないのか、どっちにしても感謝の気持ちを忘れてしまっている。とにかく船長と少年達の「心の船」に乾杯である。私はこの手の映画をくさいと感じ、人間の心と感謝を忘れてしまった人々に是非見てもらいたい。それと美しい映画ばかりを賛美する人々にも。
  • @タバタクの採点 4.88/5

    554.ホットシティ HOT CITY

  • フレッド.ウィリアムソン、ジム.ブラウン、パム.グリアー、ポール.ウィンフィールド、イザベル.サックフィールド、オスカー.ブランク,JR、リチャード.ラウントゥリー、ロン.オニール、クリストファー.B.ダンカン、エディ.ボー.スミス,JR、ラリー.コーエン(D)/1996/98′/97.3.31
  • インディアナ州ゲリー-1950年代に鉄鋼で全盛を誇った街は70年代になり鉄鋼が下火になるとギャングが暗躍し、次第に荒廃した街に変貌して行く。街はザ.レベルとディアブロスという2つのギャングによって仕切られていた。ある日、ここに住むケニーという少年が路上バスケットでレベルから金をだまし取った。この事で彼はレベルによって葬り去られる。しかも犯人を警察に告げた雑貨商マーヴィン.ブックマンまで凶弾に倒れる。マーヴィンは一命を取り留めるがその息子で元有名アメフトの選手だったジョンがテレビで怒りをぶちまける。実はジョンはレベルの創立のメンバーでもあった。彼は市長に意見した上で父の経営権をレベルから取り戻そうとする。しかし、市長や警察はドーシー牧師の仲立ちによる和解を求める。その中でジョンはレベルのメンバーと小競り合いを起こす。彼を助けたのは元ボクサーでレベル創立のメンバーでもあったジェイク。街を昔のように平穏に戻すためジョンは和解を望み、ジェイクは復讐を提案する。そして、レベルのトップ.スパイロとダミアンを交えた和解は決裂し、極悪非道の限りを尽くす彼らによって街は全面戦争の様相を呈する。その最中レベルとディアブロスは取り合えず商売上の合意をする。一方、ジョンとジェイクは街を挙げて守るために一度はジョンの父を売ったディンク少年を通して武器を手に入れようとする。彼らはディアブロスに罠を掛け、標的をレベルに仕向ける。全市民を巻き込み、遂に全面戦争が勃発する...。スパイロが最後の場面でジョンに向かって「無責任な父親が子供を非行に走らせる」という言葉を発する自己の甘えを親に転嫁する典型的な不良少年である。こういう人間には自己反省に於いて自分という個を客観的に見ることはないのだろうか。自分の利益のために他人を恐怖に陥れることは断じて許されることではない。「悪いことは悪いこと」-それに理屈はない。また、ジェイクとローリーの夫婦のあり方を二人で語る場面は愛する息子を殺された無念とお互いの情愛が感じられた。有名な俳優は出演していなかったが二人の大人の勇敢な態度で最後まで充分楽しむことが出来た。
  • @タバタクの採点 3.21/5

    555.デッドマン.ウォーキング DEAD MAN WALKING

  • スーザン.サランドン、ショーン.ペン、ロバート.プロスキー、レイモンド.J.バリー、R.リー.アーメイ、セラ.ウェストン、ルイス.スミス、スコット.ウィルソン、ティム.ロビンス(W,D)/1995/123′/97.4.1
  • セント.トマスというスラム街の「希望の家」で尼僧をしているシスター.ヘレン。彼女はひょんなことからルイジアナ刑務所の死刑囚マシュー.ポンスレットの面倒を見ることになる。マシューの罪は友人カールと一緒に若いアベックを襲い、女の方はレイプまでして射殺したという残虐なもの。実はヘレンは刑務所のマシューから数回手紙を貰っていた。彼女は刑務所の人間の冷たい視線を浴びながら、マシューと話し合いを持つ。彼は自分の生い立ちと殺したのはカールで自分は無実だから上訴か特赦を希望するとヘレンに伝える。貧乏な彼は弁護士に既に逃げられていた。一方のカールは優秀な弁護士により、無期の刑を受けていたのだ。テレビを中心とするマスコミの論調は殆ど人間ではないモンスター.マシューの死刑を支持していた。ヘレンは弁護士を手配し、特赦審問会に漕ぎ着け、マシューの母親に弁明させるなど八面六臂の働きを見せる。だが、被害者の父親デラクロワからマシューに肩入れしていることを誹謗中傷される。苦悩するヘレンだったがマシュー同様、被害者の家族を回り話を聞く。このカップルは結婚寸前だったことが判明する。様々な人間模様の中、苦しみながらもこの家族達の前でマシューの精神的アドバイザーを続けると宣言し、憎しみの余り追い出される。この間にマシューはテレビで人種差別主義者のような発言をする。また、男側の被害者デラクロワ夫妻はこの事件をきっかけに離婚してしまう。窮地に立たされてもヘレンとマシューは「聖書」に救いを求める。心労が重なりヘレンは倒れ、司祭は死刑反対を訴えるが最後の望みの綱「上訴」は却下される。二人は遂に「抜け穴を探す」ことが出来なかったのか...。スーザン.サランドン演じるヘレンとショーン.ペン扮するマシューの命を掛けた語らいは数回持たれたのだがあと少しで死んでしまう死刑囚にしては悲壮感が余り漂っていなかった。それとこれは宗教的な問題かもしれないがヘレンが彼をどうしても守らなかった理由と心情が映画では描ききれていなかった。私が考えるにもう一つ緊張感によって画面に惹き付けられなかったのは淡々とした音楽に原因があるのかもしれない。素材は素晴らしいのだがもう一つ脚本が練られていなかったのではないか。それとショーン.ペンはミスキャストだったのではないかと思う。
  • @タバタクの採点 2.65/5

    556.エディー -勝利の天使- EDDIE

  • ウーピー.ゴールドバーグ、フランク.ランジェラ、デニス.ファリーナ、リチャード.ジェンキンス、リサ.アン.ウォルター、ジョン.ベンジャミン.ヒッキー、トロイ.ベイヤー、ジョン.サリー、リック.フォックス、マーク.ジャクソン、ディワン.シュウィンツィアス、スタンリー.クラーク(M)、スティーヴ.ラッシュ(D)/1996/100′/97.4.2
  • NBAプロバスケットに所属する弱小チーム.NYニックスはテキサスの田舎者.ビル.バージェスによって買い取られた。ビルはまず、自分がショウビジネスとしてパフォーマンスをすることに反対するコーチ.ベイリーの首を切った。彼は単なる熱狂的なファンで素人のエディー.フランクリンに白羽の矢を立てた。彼女は栄誉コーチから本当のNBAコーチになってしまう。しかし、チームはスター.パットンを筆頭として既にバラバラになっていた。エディーがコーチになってからも7連敗、通算では20連敗を喫していた。エディーはマスコミに叩かれる。それから彼女はチームの長老.ネイトから前コーチもあなたも選手の事情と気持ちが分かっていないと告げられる。エディーはアルマーニのスーツで試合を盛り上げる一方、選手と語らうことにも時間を割く。そして試合ではパスのしないパットンを見切り、ネイトを投入し、初勝利を得る。その後、連戦連勝を続ける中で離婚寸前のヘイスティングスには奥さんと和解させ、ベンチを温めたいたパットンにはストリートバスケットでパスの重要さを教える。NYニックスはエディーと共に盛り上がりを見せる。しかし、ビルは商業的に成功していることからチームをセント.ルイスに売却することをエディーに告白する。彼女は納得できぬ心の侭、プレーオフを賭けた試合に望むことになる。果たして相手ホーネッツのコーチはベイリーであった。試合は一進一退のまま、ハーフタイムを迎えることになるのだが...。スポーツの単純さとウーピー.ゴールドバーグ演じるエディーの軽妙なやり取りが実に心地よかった。変に脚色しないスポーツの良さが出ていたと思う。また、BGM担当スタンリー.クラークのフュージョンが軽快なバスケットボールに良くはまっていた。そしてウーピーはやはり「静より動」である。この映画は映画らしい軽快な感動を私たちに与えてくれる。
  • @タバタクの採点 4.23/5

    557.ミッション:インポッシブル MISSION:IMPOSSIBLE

  • トム.クルーズ、ジョン.ヴォイト、エマニュエル.バート、ヘンリー.チェルニー、ジャン.レノ、ヴィン.ラムズ、クリスティン.スコット-トーマス、ヴァネッサ.レッドグレーヴ、インゲボルガ.デプクナイト、ブライアン.デ.パルマ(D)/1996/110′/97.4.3
  • ロシア.キエフで使命を完了したCIAにおけるスパイ組織NOCイーサン.ハントのチーム。次なる指令は飛行機の中でジムが映画のビデオから受けることなる。その指令のためのチームメンバーはジム以下変装の達人イーサン、クレア、サラ、ハンナ、天才ハッカー.ジャックの6名。彼らの使命はチェコ.プラハでゴリツィンという男が「NOCリスト」を盗むところを撮影せよというものであった。楽な仕事と思われたが事前に情報が漏れ、イーサンとジムの妻クレアを残して、他のメンバーは殺されてしまう。NOCのボス.キトリッジはマックスという武器商人に情報を流した裏切り者がいるとイーサンに告げる。その上、イーサンの預金口座に突然12万ドル入金あったことから彼をキトリッジは疑った。キトリッジはこの作戦を「裏切り者を炙り出すため」のものと言い放つ。この事からイーサンはNOCを解雇される。彼はこの汚名を晴らすべく、クレアの他に解雇された人間ルーサーとクルーガーを集め、CIA本部に侵入し、本当の「NOCリスト」強奪を計画する。イーサンは秘密が「聖書ヨブ記」にあることを突き止め、それからマックスに近づき、1000万ドルを条件に商談を成立させる。果たしてこのマックスというのは女であった。そして、彼らは遂に完璧な防御システムを持つラングレーのCIA本部に潜り込むことに成功する。彼らはぎりぎりの成功確率をものにし、NOCリストのディスクを持ち帰る。だが、クルーガーの落としたナイフから本部に侵入したことがキトリッジに分かってしまう。キトリッジはイーサンの母と叔父を麻薬で逮捕させ、彼の動揺を誘う。その頃ロンドンにいたイーサンはこの事を逆手に取り、キトリッジをロンドンに呼び寄せる。しかし、その時イーサンの前に意外な男が姿を現す。イーサンの仲間達、マックス、キトリッジ、謎の男が超特急TGVで大立ち回りを演じる...。イーサン演じるトム.クルーズを中心にこの映画は推理小説の謎解きにも似た壮快感を与えてくれる。そこに流れるのはあの懐かしい「スパイ大作戦」のテーマ。トム.クルーズの頬が痩けてやせた顔には賛否両論あるかもしれないが私は彼の真摯な役作りの結果として肯定したい。また、ジョン.ヴォイト扮するジムがイーサンに向かって「冷戦が終わり、諜報部員は過去の産物」と呟くところは現在の世界の流れを的確に示していた。それとクルーガーを演じていたジャン.レノは脇役としては余り光らない。もし彼を使うのであればやはり主役で使う方がよいと思う。途中少し中だるみしたがTGV上での映像はブライアン.デ.パルマらしく迫力満点であった。
  • @タバタクの採点 3.85/5

    558.ラストダンス LAST DANCE

  • シャロン.ストーン、ロブ.モロー、ランディ.クウェイド、ピーター.ギャラガー、ジャック.トンプソン、パメラ.タイソン、シート.アルリック、ブルース.ベレスフォード(D)/1996/104′/97.4.5
  • 知事補佐であった兄ジョンの口利きで役所の恩赦課で勤めることになったリック.ヘイズ。彼は最初の仕事として死刑囚シンディ.リゲットの担当になる。彼女の罪状は12年前に二人の男女を殺害したというものである。リックは刑務所を訪ねるがシンディは最初の内なかなか心を開いてくれなかった。しかし、彼女が絵を描くための一枚の写真をリックが送付することにより次第に気持ちを打ち明けるようになる。そんな彼女を救おうとリックは懸命になるが兄や上司サムはそれを迷惑がる。彼女を助けるのは彼自身の生い立ちに因るところもあった。だがその後、リックはシンディの担当を外される。彼はジョン.リースという黒人の担当になるが本を拠り所に自分の有利な立場を主張する男をリックは好きになれなかった。彼の心はどんどんシンディに傾く。そんな中で知事はリースに死刑から無期へ減刑を発表する。それと同時にシンディの死刑は確実なものとなる。過去を洗い、関係者の供述を得ようとするリックだったがそれらの口は一様に重かった。だが、彼は共犯で減刑のために彼女を売ってしまったダグという男から供述を引き出すことに成功する。また、シンディの矯正所にいた弟と事件を担当していた弁護士も協力させる。これを陰で応援していたのが実は元上司サムであった。ケースヴィル刑務所に於いて死刑執行の迫るシンディと必死にくい止めようとするリック。その中で彼の知事に対する懸命の説得も通じなかった。リックは最後の望みを当時の判事に託すのだが...。「氷の微笑」の時のシャロン.ストーンとは全く別人のような演技派に変わっている。それから「デッドマン.ウォーキング」と同じ題材を扱っているのだが囚人や周りの人間の描き方が数段上の印象を受けた。特にシンディ演じるシャロン.ストーンが刑務所を移動する時の囚人達の行動には思わず涙してしまった。また、もうじき死刑を迎えるシンディの「悪くはない。先が見えていること」というセリフには彼女の生きてきた人生を如実に物語っていた。何れにしても「デッドマン.ウォーキング」のヘレンよりはロブ.モロー扮するリックの方がより感情移入出来たことは確かである。そしてマシューよりシンディもまた然りである。
  • @タバタクの採点 4.29/5

    559.栄光と狂気 ROWING THROUGH -THE AMATEURS-

  • コーリン.ファーガソン、レスリー.ホープ、ピーター.マーニック、ジェームズ.ヒィンドマン、羽田美智子、クリストファー.ジェイコブス、ヘレン.シェーヴァー、ケネス.ウェルシュ、原田雅人(D)/1996/116′/97.4.6
  • 1975年ハーバード大学にて-金を生むスポーツ以外には冷淡なマスコミやエージェントをよそに「ボートレース」に青春を賭ける若者達がいた。その主人公は苦痛に歪む顔に興味を持っていたケイト(通称キャット)とセックスにもボートの情熱を持ち込む男ティフである。ケイトは卒業後スポーツライターにティフは同僚のストーンと共に現役を続ける。USローイングチームの主将もつとめ、次期オリンピックに臨んだティフだったが政治的な理由によりアメリカは1980年モスクワオリンピックをボイコットしてしまった。大統領批判までしたティフだったが状況はいかんともしがたかった。それでも彼は現役を続行する。その後、ビギーというライバルも得て、1984年ロサンジェルスオリンピックの予選に挑戦するティフの前には自分と共にずっと歩んできたコーチ.ハリーの姿があった。寄る年波にも拘わらず体力的な限界に挑み、「世界一のオアズマン」として合宿に参加し、オリンピックを目指すティフそれをジャーナリズムと彼を愛する個人両方の立場から補佐するケイトだったが...。物語の筋は単純明快で直ぐに理解することが出来た。それから最初のクレジットを見ると日本人の名前が数多く出てきた。プロデュースは奥山和由で監督は原田雅人という人物である。原田という人は知らないが奥山氏は一頃「RAMPO」などで話題になった。彼の狙いは外国人を使い、しかもマイナーなボートレースを通じて青春を描こうということだったのだろうか。日本人にも外国人さえ使えれば世界に通じる映画が出来るというものなのだろうか。それにしては俳優として日本人でただ一人出演していた羽田美智子の使い方が中途半端というより必要性が全くなかった。映像は真似できるかもしれないがそこにある人物描写や意図がこちらに殆ど伝わってこなかった。このフィルムの116分は長すぎる。最初と最後をつなぎ合わせて30分もあれば充分である。
  • @タバタクの採点 1.54/5

    560.トークショー THE LATE SHIFT

  • キャシー.ベイツ、ジョン.マイケル.ビギンズ、ダニエル.ロウバック、ボブ.バラバン、エド.ベグリー.JR、ピーター.ジュラシック、レニ.サントーニ、ジョン.カペロス、スティーヴン.ギルボーン、ベティ.トーマス(D)/1996/96′/97.4.26
  • これはアメリカのテレビ業界に於ける実話である。物語はNBCネットワークの看板番組「トゥナイト」という深夜のトークショウを巡って展開する。あるエージェントのやり手女社長ヘレン.フュスニックは自分が手塩にかけて育てたジェイ.レノをこの番組の後がまに据えようと画策していた。彼の人気も上昇しており、彼女に追い風は吹いていた。だが、ヘレンは先を急ぐあまりにその時の看板キャスターであったジョニー.カーソンをでっち上げの新聞記事により強引に引退に追い込む。まんまと番組を乗っ取った当初はジェイの人気のために重役を始めとするテレビスタッフ達も口を噤んでいたが次第にヘレンの傲慢さが重大な問題に発展する。彼女は番組とNBCを追われ、遂にジェイはヘレンと離れ、番組に残ることを決意する。一方当時NBCでジョニーに次ぐ看板キャスターだったデイブ.レターマンは友人ジェイに看板番組を取られ、窮地に立たされていた。その時、彼のマネジャー.ピーターはエージェントを通すことでNBCに拘らず視野を広げた方が良いと進言する。忠告に従ったデイブだったが彼の気持ちの中では「トゥナイト」という番組が未だ割れ切れていなかった...。キャシー.ベイツが主役になっているが実際の登場時間はそんなに多くはない。だが、本当にヘレンというやり手ばばあ社長を演技的に少し強調しすぎる部分もあったが存在感を持って見事に演じていた。ジェイやデイブは実際のテレビキャスターに近づけるためか顔は必要以上にいい男を使っていない印象を受けた。これが実話であるという事はテレビ業界ではこの様な状況が日常茶飯事に起きているということなのだろう。遣りすぎて業界を追われるヘレンの哀しい姿がこの世界の敗北者を象徴しているのか。
  • @タバタクの採点 3.96/5




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