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54.　汚れなき刑事魂

【出演者】石原裕次郎、松田優作、(関根恵子)、露口茂、竜雷太、小野寺昭、下川辰平、青木英美、菅井きん、水谷豊、堀田真三、中島元、村山達也、門脇三郎、由起卓也、宇留木康二、草間璋夫、今井和雄、東静子、見明凡太朗、武藤章生【監督】高瀬昌弘【脚本】長野洋・小川英【音楽】大野克夫（音楽）、井上尭之バンド（演奏）【原作】魔久平

【あらすじ＆ジーパン心の叫び】

　滅多にない休日、唯一の趣味である？パチンコで愛飲する煙草「CHERRY」を稼ぐジーパン。その長閑な風景を打ち破るかのように「CHANNEL」というスナックで爆破事件が起こる。ジーパンも含め七曲署の面々が現場に揃う。被害は3名の即死者の他に多数の重軽傷者が出ていた。

　酷い現状に嗚咽をしているジーパンはボスの命令でヤマさんの手伝いで病院に向かい、軽傷の被害者から証言を取りに行く。その中にジーパンの顔見知りがいた。その男は牧恭一(水谷豊)といい、現在は大学生でこの店でコック見習いとしてアルバイトしていたのであった。

　捜査見込みでは凶器は目覚まし時計と乾電池をダイナマイトに繋いで使った簡単な構造な爆弾でこれは誰かを狙うために他の人間を巻き込んだものではないかということであった。ヤマさんはジーパンと丹念に被害者を調べる。しかし、ジーパンはその中の牧をいいヤツと信じて疑わなかった。

　竜神会というヤクザの池島(見明凡太朗)、次期理事長候補で保全信用金庫の川島などの身辺を調査する。池島は対立する戸川組という組織のせいにし、これでジーパンは先走るがゴリに怒られただけでそれはどうも関係がない事のようだった。

　死んだ川島も今のところは有力な情報がなかった。ヤマさんはこういう事実から牧に目を付ける。そして、牧は意外なところから綻び出す。パチンコ屋を出たところで飯場の男と偶然に出会うのだ。

　彼はヤマさんの前で知らない振りをするがチョウさんの調べで彼らが働いていた丹沢の飯場で数日前にダイナマイトが盗まれていた。加害者は遂に判明した。ジーパンはこういう経緯を知らずに完全犯罪を狙って失敗しかかっている牧のアパートに突然訪れる。

　牧はジーパンを警戒し、お袋が急病で田舎に帰ると嘘をつく。ジーパンはこの言葉を信じ切り、急ぐという彼を新宿駅まで何とパトカーで送る。だが、ジーパンが彼の母にお土産を買っている間に牧は姿を消す。

　そして、ロッカーの前で見つけた時にゴリの一言でジーパンは彼が爆破犯人だと分かってしまう。それでもジーパンは牧のことを心の底ではまだ信じていた。そんなジーパンにヤマさんは先輩刑事として優しくも厳しい言葉を掛ける。

　その時、彼は牧と知り合った経緯をヤマさんに話す。それから捜査は牧が狙った人物の方の絞り込みに入る。そこにはどうも保全信用金庫の使途不明金一億円が絡んでいるようであった。死んだ川島に全ての罪を擦り付けて新理事長に平井(武藤章生)という男がなったのだ。

　七曲署一同はこの男に目を付けた。その一方でジーパンは母のたき(菅井きん)と食事をしながら牧のことで悩んでいた。たきは目の前のこの優しい息子に亡き夫の姿を見る。そこに牧から自首をしたいと電話がある。ジーパンは最後まで彼を信じ、一人でオートレース場に向かうのだが...。

　BGM・チェリッシュ、山本リンダ「狙いうち」

　ジーパン心の叫び　「何であいつが...」「俺は行かないよ」「お前はいいヤツなんだ」

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