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アレなんだよなぁ〜!?

55. どぶねずみ

【出演者】石原裕次郎、松田優作、(関根恵子)、露口茂、竜雷太、小野寺昭、下川辰平、青木英美、平田昭彦、大村千吉、山下啓介、福田トヨ、大宮幸悦、加藤茂雄、和泉喜和子、西郷昭治、武智豊子、高木門【監督】山本迪夫【脚本】鎌田敏夫【音楽】大野克夫(音楽)、井上尭之バンド(演奏)【原作】魔久平

【あらすじ&ジーパン心の叫び】

 ある日、郵便配達人が銃砲店のシャッターの下から流れ出す血を目撃する。そこの主人と子供は即死、奥さんは病院で亡くなった。凶器は鉄の棒で死体の側にはライフルの弾数発が散乱していた。ボス以下七曲署の面々が集まる中、本庁の西山(平田昭彦)という刑事が現れ、捜査に介入することとボスに嫌みを残して去る。

 署に戻ると待っていたのは息子を誘拐された?という老婆であった。事情を知っている刑事は彼女に構わなかった。この光景を見ていたジーパンがこの矢沢トキ(武智豊子)という老婆の洗礼を受ける。

 ジーパンが早速取り調べを始めると曙町に住むという彼女が探していたのは実は犬のコロであった。この事実に唖然としながらジーパンはトキと一緒に犬の捜索に出る事となる。一方、殺人事件に使われたライフルは"ウィンチェスターモデル94"というアメリカ直輸入の新型であった。

 そこにあの嫌みな西山が現れ、新事実が出たら報せろと上司風を吹かせ、更に口答えするジーパンを注意する。この後、捜査は工事現場の労務者の証言により「鉄の棒をぶら下げて、布にくるんだものを大事そうに抱える不審な男」のモンタージュ写真を作成した。

 このモンタージュ写真をジーパンがボスの命令で西山に届けた時、彼は警官であった父ゲンジと自分自身をも侮辱された。傷心の中でジーパンはポツンと座るトキの姿を公園に見つける。彼はトキの寂しそうなその姿からコロの捜査を開始しようと決意する。

 殺人の捜査は精神異常者に絞られ、ボスは犯人にライフルを使わせる前に捕まえようと発破をかけ、七曲署の刑事達は一時帰宅する。事情を知らないゴリとデンカに茶化されながらもジーパンはトキの元に出向く。自分で描いたコロの絵を頼りに近所を回るジーパンとトキ。

 世間の冷たい風を受けながらも二人はケンというタクシー運転手がコロらしい犬を轢いたことを突き止める。だが、行き過ぎの捜索は殺人事件の捜査が進まない刑事達を苛立たせる。その折りにチョウさんとジーパンは捜査に出掛け、公園でコロらしき犬と遊ぶ青年を偶然見つける。

 ジーパンがその犬をコロと確認し、チョウさんは彼の名前を聞こうとするが何故か人間を「どぶねずみ」と言って憎む青年は名乗らずに立ち去る。去った直後、ジーパンはコロの首にライフルの銃弾で作ったペンダントを発見する。

 この青年は近くのアパートに住む坂口(高木門)という学生であった。彼は犬のことを管理人に咎められた後にライフルをどぶねずみに見立てられた電車の絵とマネキンに向かって発射する。坂口は遂に呼び止められたパトカーの2人の警官に向かってその引き金を弾いてしまう。

 そしてジーパンによって追いつめられた彼はあけぼの公園に逃げ込み、最後はジェットコースターに上ってしまう。決意したジーパンは彼が信じるものを抱いて近づき、逮捕しようとするがそれを遮るかのように本庁の風が人間の心の触れ合いを突然切り裂いてしまう...。

 ジーパン心の叫び 「なんスカ、あれ」「好きなんだな」「どうして、あんなに人間を憎むのかな?」「もし、あいつがコロを撃ったら同時に俺も死にます」



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