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60. 新宿に朝は来るけれど
【出演者】石原裕次郎、松田優作、関根恵子、露口茂、竜雷太、小野寺昭、下川辰平、青木英美、菅井きん、桃井かおり、山吹まゆみ、片山滉、上野綾子、北川陽一郎、阿藤海、杜沢泰文、六人部健一、築地博、渋谷健三、大塚周夫、服部哲治、伊井利子【監督】竹村進【脚本】鴨井達比古・小川英【音楽】大野克夫(音楽)、井上尭之バンド(演奏)【原作】魔久平
【あらすじ&ジーパン心の叫び】
普段着慣れないジーパンのブルーの背広が地震を呼んだのか?実はその地震はある殺人を示唆していたのだった。新宿副都心の超高層ビルが見下ろす公園で殺された男の名前は中原和己(大塚周夫)といい、科学技術庁防災対策研究所の技官で35歳だった。
彼は丁度、マスコミに東京地震の恐ろしさを予知していた。現状は財布や身分証明書など全てそのままということで物取りの犯行ではなかった。妻.弘子(伊井利子)や職場の上司の証言の「愛妻家で子煩悩」というところからは特に殺人に繋がることは出てこなかった。
ただ気になるのは当日、体の具合が悪く休んでいた事と「主任もどうぞお元気で」という遺言みたいな言葉を残したことだった。そして中原のワイシャツから妻以外の女の口紅が検出される。ボスはこの事実から「男は殺されるのを待っていたのだろう」と推察する。
捜査は「口紅を残した謎の女」に絞られる。そこでジーパンは新宿という街の特性やそこに蔓延る若者たちから考えたことをボスに提案し、シンコと共にヒッピーの格好で潜入捜査に入る。中原の自宅では妻が300万円の定期預金が下ろされている事実を告げ、そして自室からは「プカプカ」というレコードが発見された。
一方、ヤマさんとゴリは新宿で「中年男性を喜ばせるような若い女性がいる店」を探していた。そのミニクラブは「LUB MINt」という店名であった。そこのママ(山吹まゆみ)は中原を目立たない客といったが彼といつも一緒にいたホステスの恵美(桃井かおり)を二人の紹介する。
しかし、このママは中原から300万円が無くなっている事実を知ると弟で竜神会というヤクザの兄貴分の野川(服部哲治)に頼み、恵美から300万円を分捕ることを企てた。実は彼女は犯行当日に恵美が包丁を持ち出すところを見ていたのだった。
直ぐに野川が「ライトハウス」というライブハウスに恵美を訪ねた時、そこにはジーパンとシンコがいた。強引に恵美を連れ出した野川からジーパンは懸命に彼女を救い出そうとする。先輩のゴリを殴ってまでも。
ジーパンは恵美と飲み明かすが彼女は仲間と心を許す彼にあっけらかんと「殺人をやった」と冗談とも冗談でないとも分からないような恵美特有な言い回しをする。だが、口紅が恵美のものと一致し、七曲署の面々は彼女のアパートに向かう。
だが、ヒッピー仲間3人(阿藤海ほか)と家を出た恵美は野川に拉致されてしまう。彼は第三倉庫に連れていき彼女に300万円の在処を吐かせようとする。その頃、ジーパンは例のママに真相を迫るがそれをデンカが止める。二人はその後、車で出掛けた彼女を追跡する。
恵美が拉致された場所が判明するとジーパンは居ても立ってもいられずにデンカの制止を振り切り、現場に乗り込んでしまう。ママと野川を逮捕するがその間に恵美は逃走してしまう。その頃、七曲署では恵美が「何故、中原を殺したのか?」が話題になっていた。その答えをジーパンは彼女と初めて出会ったバーで直に聞こうと思い、そこでひたすら待っていた...。
BGM・ザ.ディランII「プカプカ」
ジーパン心の叫び 「まいったなあ、本当に俺が背広着たせいか?」「こんな娘が人を殺すなんて...こんな娘が」「ボス、俺も同感です」