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84. 人質
【出演者】石原裕次郎、松田優作、(関根恵子)、露口茂、竜雷太、小野寺昭、下川辰平、平田昭彦、青木英美、高峰圭二、原口剛、森山周一郎、中山克巳、中村雅俊、伊藤めぐみ、志賀正浩、佐藤耀子、村山憲三、菊地正孝、松下昌司、中村文孝【監督】竹林進【脚本】永原秀一・峯尾基三【音楽】大野克夫(音楽)、井上尭之バンド(演奏)【原作】魔久平
【あらすじ&ジーパン心の叫び】
糸鋸でライフルの銃身を削る男。銃を構える男の顔には不敵な笑みが浮かんでいた。東名信用金庫では開店の準備が進んでいた。軽口をたたき合う女子行員。そんな和やかな雰囲気が一瞬にして変わってしまう。
3人のマスクをした男達が警備員に銃を突きつけながら銀行内に侵入してきたのだ。彼らは支店長(森山周一郎)に現金を要求する。もし拒否したら「爆弾を爆破させる」と脅した。金庫のドアを開けさせ、そこにあった現金をバックに詰める犯人達。
ノボルと呼ばれた男が様子を見に行くと勇気を持って非常ボタンを押そうとした男子行員がいた。しかし、彼はノボルに右腕を撃たれてしまう。その非常ボタンに反応して直ぐにやって来た二人の警官の内一人も撃たれる。
警察が集結し、応戦するが中野という男の左足を撃つと彼らは銀行内の女子行員二人(伊藤めぐみ、佐藤耀子)を人質にして、金庫室の中に立て籠もってしまう。閉めるとそこは自動的に鍵が掛かる仕組みだった。ボスは非常態勢を取り、直ぐに犯人達と電話で連絡を取る。
犯人達が興奮していたので「何かあったら内線50番に電話をくれ」と言って切る。この声を聞いて、ゴリはどこかで聞いたことのある声だと感じる。彼らが所持する銃がライフルでそれが22口径の銃身と銃床をぶった切ったものであると判明した。
一方、中では女子行員の一言から金庫室は密室で酸素欠乏になる恐れがあることを犯人達が認識する。傷口を痛がる中野。「自首をしてくれ」と懇願する女子行員にノボルはライフルを突きつける。外では電話を待つボス。そこへ電話が入るがボスは犯人の精神状態を考えて、少し焦らした。
切れた所で改めてボスから電話を入れた。焦りながら彼らは「壁に風通しの穴」と「医者」を要求した。「拒絶したら人質を殺すぞ」と付け加える。だが、ボスは要求が虫が良すぎるとした上で「窒息する時はお前らも死ぬ」と逆に脅しを掛けた。
そして、人質の釈放を要求した。犯人が「人質を一人だけ解放する」と返答するとボスはそれは納得出来ないから「医者と自分が人質になる」と言い切る。犯人は遂に承諾する。このやり取りでゴリは声の主が誰だか分かる。それは霧島という曰くありげな男だった。
この件からゴリはボスに「自分にやらせてくれ」と決意する。「ボスが入ったら誰が指揮を執るのか」という言葉にボスは二の句を継げず、ゴリに役目を託す。ゴリは交換条件にビフテキを要求した。
ボスの作戦はコンクリに混ざっても分からない石膏で固めたワイヤレスマイクを金庫内に入れて、中の状況を確認しながら15:00に強行突破するというものだった。人質になる医師も決定する。長谷川(中村雅俊)という医師は「私が行くことをマスコミには発表しないでくれ。母に心配を掛けたくない」と頼んだ。
ゴリは中に入る前にさらに一言付け加える。「分厚くて皿からはみ出しそうでニンニクたっぷりのビフテキ」。中に入ると旧知の仲であるゴリと霧島の睨み合いが続いた。ゴリが長谷川に「これから何が起ころうと・・・」と釘を刺すと霧島の痛めつけが始まる。
霧島は以前、ゴリの執拗な取り調べで落ちたという前歴があったのだ。それを彼は長い間、恨んでいた。執拗な攻撃で遂にゴリは気絶してしまう。ドリルで穴を開け始める作業員。犯人達のモンタージュ作成も同時に進められていた。途中でワイヤレスマイクを入れるジーパン。
だが、穴を開け過ぎた作業員は霧島に撃たれてしまう。弾は至近距離だったので防弾チョッキを撃ち抜いていた。怒りのために霧島はライフルを乱射する。ワイヤレスを仕込んだがゴリの声が聞こえないために15:00の計画は延期される。
18:30。飲み物や食べ物が差し入れされる。それらを食べながらラジオを聞く犯人達。そんな折に外ではワイヤレスマイクを通して、ノボルの親父が国会議員であることを知る。そして、彼の名前が白石ノボル(原口剛)といい、親父さんがコウジロウという国会議員であることが判明する。
22:02。事件発生後、13時間以上を経過する。署長は遅々として進まない捜査に「強行手段を取れないのか」と活を入れに来るが犯人の一人が国会議員の息子だと分かると急に矛先を納めて「慎重にやってくれ」という発言に変化する。ゴリと霧島の関係が分かったのはその直後だった。
ゴリが城南署時代、霧島修司(高峰圭二)を強盗傷害で城南刑務所に7年5ヶ月ぶち込んだのだ。そのムショ仲間だったのが同じく強盗傷害で5年6ヶ月の服役をしていた中野英夫(中山克巳)だった。ボスはそれを承知でゴリが中に入ったことを知る。中ではノボルが息巻いていた。
その頃、ゴリがやっと目を覚ます。ノボルはセスナを使って、新宿や銀座の上空から札束をばらまこうなどと口走っていた。ゴリはマイクを探していた。そして、ボスに霧島から電話が入る。人質と爆弾をちらつかせながらセスナを要求する霧島。
ゴリはその受話器から聞こえるように大声で七つの子を歌う。痛めつけられながらも彼は歌い続ける。セスナは4人しか乗れないからゴリの命が危ないと察知したボスは強行手段に踏み切る。催涙ガスと防弾チョッキを用意。
そして犯人達が聞いているラジオを利用してこの計画をゴリに分からせるようにした。ラジオからそのメッセージを受け取ったゴリは直ぐに準備に入る。霧島からタバコを貰って、手首に巻かれていたロープをその火で焼き切る。それに気づく長谷川医師。12:00。計画は実行される...。
BGM・竜雷太「七つの子」