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86. 勇気ある賭け
【出演者】石原裕次郎、松田優作、(関根恵子)、露口茂、竜雷太、小野寺昭、下川辰平、平田昭彦、青木英美、宇佐美淳、加賀邦男、鈴木瑞穂、大木正司、高森玄、綾川香、鈴木和夫、三上定良、久本昇、林靖子【監督】山本迪夫【脚本】長野洋【音楽】大野克夫(音楽)、井上尭之バンド(演奏)【原作】魔久平
【あらすじ&ジーパン心の叫び】
アニキと叫ぶ船員風の男。港が不穏な雰囲気になっていた。そんな港のタレ込み屋からヤマさんは電話をもらう。「青木トシオ(大木正司)が帰って来る」という。その名前にボスは苦い思い出があった。
昔、青木を逮捕しようとしたボスは相手の拳銃乱射によって市民を巻き込んでしまったのだ。青木情報は既に港町署でも掴んでいた。数日後に彼は船を使って密入国するらしい。港町署の捜査係長(加賀邦男)は自分達は面が割れているから青木の密入国を押さえるためには誰かを潜り込ませるしかないと呟いた。
それは七曲署に対する非公式な「おとり捜査」の要求であった。港でチンピラ5人を相手に喧嘩をするジーパン。その騒動で彼はもう一人のチンピラと共に警察に捕まる。そうボスがおとり捜査のために選んだのはジーパンだった。この捜査を明らかに越権行為だとするヤマさん。
それに対して憤るゴリ。だが、ヤマさんは下手をすればボスの首が飛ぶからそうさせないのが自分達の義務だと応える。一方、ジーパンは一緒に捕まったチンピラと仲良くなり、酒を飲みながら彼の背後に探りを入れる。
「拳銃を一丁欲しい」と青木の名前を出すジーパンにチンピラは日南商事の名前を挙げた。それは直ぐボスに報告される。日南商事が密輸のためのオリエンタル・パール号に青木は乗って来ると伝えた。ジーパンの身を案じ、「それ以上の捜査は止めろ」と言うボス。
だが、彼はボスが助けてくれることを信じて、また港に戻る。着船を目前に港に張り込むボスと港町署の面々。しかし、船が着くと同時に飛び出したボス達を襲う車。ゴリが車で通り掛かったため、何とか難は逃れる。
その車を追い、中にいた人間を捕まえたがそれは青木を逃がすためのおとりであった。七曲署では越権行為をしたボスに署長が意見をしていた。署長は「ジーパンを引き上げろ」と命令するが「国際的密輸組織を摘発するためには退けない」とボスは自分の責任で彼の捜査を続けさせる。
ボスに港町署の係長から電話があり、ある場所に出掛ける。そこは「国立衛生試験場」だった。そこで衝撃的な事実を知る。何と青木が天然痘に罹っている疑いがあるというのだ。天然痘は文明国では殆ど根絶したのだが未開発国ではまだ存在するらしい。
そして、今のところ、発病したら治療法がないという厄介な伝染病だった。直ぐに緊急捜査会議が開かれる。本部長(鈴木瑞穂)の決定は発病までに72時間あるがボスに残されたのは24時間ということだった。それも全て彼の責任とされた。
24時間を過ぎたらパニックになることを承知で公開捜査に踏み切るとのことだった。ヤマさんはボスの裏に有力な黒幕がいるとの読みにそれなら「箱根の人」(宇佐美淳)に違いないと語る。ボスは早速、その超大物の黒幕に会いに行く。敷居の高いガードを突き破り、ボスは本人に面会する。
ご隠居の昼寝後、彼らは本題に入る。単刀直入に「青木を引き渡してくれ」と頼むボス。「日南商事の上田(高森玄)は知っているが青木などは知らない」と惚けるご隠居。ボスは超大物の黒幕が怒り、もう帰れという言葉にすら一歩も引き下がらずに切り札の「天然痘」を持ち出す。
ご隠居の態度が急変。後日、ご隠居からボスへ電話がある。黒幕が言うには青木を引き渡す代わりに上田の条件として「紛れ込んだ犬を教えて欲しい」との事だった。しかも青木が病気に罹っていなかったらその犬と交換して釈放するという実に虫の良い取引。
ボスは犬の存在を否定するが「一般市民の生命財産を守るのが警察官の使命」という黒幕の言葉に苦渋の選択を迫られる。遂にボスは彼らにジーパンを売り渡す。上田らに痛めつけられるジーパンは信じられない言葉を彼らから聞く。自分を売ったのがボスだという事実だ。
その情報をデンカが嗅ぎつける。「ジーパンが何者かに誘拐された」という情報。ボスはジーパンを守るために意を決して、単独捜査を続ける。日南商事のトラック尾行、土砂降りの中、張り込み続けるボス。
そんな折に七曲署では署長がジーパンと引き替えに青木を逮捕した事実を喋る。憤る面々にくれぐれも無茶はするなと釘を刺す。中でもゴリの憤りは酷かった。ヤマさんが彼を諭すかのように話す。
自分は「捜査や尋問では負けない自信があるがボスと自分達の最大の違いは時には自分の心をボロボロにしながらも冷酷非情になれること」だと言い聞かせるように語る。それが人の上に立てる人間なのだと・・・。
傷心状態のボスは闘志もなくし、チンピラの因縁に対しても金で形を付けた。七曲署の面々は署長の忠告を無視。全員休暇届を久美に渡し、ボスを守るためにジーパンの捜索にあたる。ヤマさんは天然痘に罹ることも辞さずに中央病院の隔離病棟に青木を訪ねる。
青木に日南商事の隠し倉庫の場所を執拗に吐かせようとするが彼は知らないと突っぱねていた。その頃、ボスは少し自棄になって、自販機で酒を買って飲んでいた。2本目を止めたのはチョウさん。チョウさんに現在の心境を吐露するボス。
彼はチョウさんの「捜査は諦めた時が負け」という言葉に救われる。ヤマさんは相変わらず病院で粘っていた。そこに突然入ってきた看護婦が青木に銃口を向ける。結局二人は撃たれる。
ヤマさんは鍵を握るのはやはり「箱根の人」であるとボスに伝えて欲しいと言い残す。それに応えたボスはジーパン救出の最終決戦のため、黒幕「箱根の人」の屋敷を再訪するのだが...。
ジーパン心の叫び 「ボスが・・・ボスが・・・俺を売った」「安い給料の人に払わしちゃ、気の毒ですからね」