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アレなんだよなぁ〜!?

91. おれは刑事だ!

【出演者】石原裕次郎、松田優作、(関根恵子)、露口茂、竜雷太、小野寺昭、下川辰平、青木英美、伊東四朗、渥美国泰、江幡高志、黒沢のり子、本山可久子、飯沼慧、畠山麦、仙波和之、本間文子、市川ひろし、渡部市松、田沢祐子、野村光絵、安田隆、星野富士雄【監督】児玉進【脚本】小川英・中野顕彰【音楽】大野克夫(音楽)、井上尭之バンド(演奏)【原作】魔久平

【あらすじ&ジーパン心の叫び】

 商店街の中、犯人を追うゴリ。彼がぶつかった老婆を助ける若者。捕まえたひったくり犯を警官に渡すゴリの凛々しい姿に若者も感動する。だが「私は七曲署の石塚です」という言葉が若者の人生の歯車を少し狂わせてしまう。偶然にその若者は4人の男に絡まれている女性に出くわす。

 その彼女の危機を彼は「俺は七曲署の石塚だ。文句あるか?」と切り抜けてしまう。ブルーコートの女性には感謝され、彼女が勤める「スナック・ヤング」のマッチを手渡される。一方、七曲署ではゴリへの礼状が毎日の様に届いていた。

 勝手に自分の名前を語り、小さな親切運動をする男にゴリは激怒していた。彼はジーパンを連れて、その男の捜査に掛かった。ジーパンにはその犯人と比較され、茶化される始末のゴリ。横断歩道を渡れずに困っていたおばあちゃんをジーパンが助けるとそこでも"有名人"石塚の名前が出て来た。

 署に戻るとヤマさんが取った電話には泉署から苦情が入った。管轄外の泉町で石塚が刑事活動をしているというのだ。ゴリは再び捻り潰すような勢いで偽ゴリを探しに行った。その頃、偽ゴリは助けた彼女とデートの最中だった。バスの中で観て来た映画に出てきた刑事の話をする二人。

 松宮の停留所の直前で偽ゴリはスリを偶然、見つける。彼はその停留所で降りるとスリ男に尋問を試みる。「七曲署の石塚だ」という言葉に観念して、掏った財布を渡すスリ男。「男のこの年で刑務所に入ったらもう娑婆を拝めない」という弱気の言葉で偽ゴリは彼をあっさり釈放してしまう。

 そして財布だけを近くの交番に届ける。彼女の名前はヨーコ(黒沢のり子)と分かる。そのヨーコが勤めるスナックで探りを入れる冷静なヤマさんと感情的なゴリ。偽ゴリの店での評判はあまり良くなかった。毎日、看板近くに彼女を迎えに来るというのだ。

 そこにデートを終えたヨーコが出勤して来るが偽ゴリの自宅はどうも知らない様子であった。ただ、「2丁目の床屋の主人に挨拶をしたから近くじゃないか」という。一方、いい気分で歩いていた偽ゴリには魔の手が迫っていた。

 彼は突然、2人の男に車の中に拉致されそうになる。すんでの所でそば屋のスクーターを盗んで逃げる偽ゴリ。そんな折りにヤマさんとゴリは遂にヤツのアパート・ゆたか荘を突き止める。部屋の中は万年床にインスタントラーメンの山。そこへ本人が戻る。

 ビックリして逃げようとするが二人に捕まってしまう。男の名前は矢部ススム(伊東四朗)。「命を狙われた」というのに全く信じない二人に彼は現在の身の上を話し出す。矢部は今、失業中で月々4万円の失業保険で暮らしていた。

 インスタントラーメンで食いつなぎながら刑事の名前を語り、人助けをしているというのだ。そこから彼女のデート費用も捻出していた。だが、ジーパンが警察庁の資料から彼が掏摸の常習犯で7年前まで城西刑務所で服役していたことを突き止める。

 矢部は現在は、やっていないし、掏摸自体も親父から仕込まれたものだと言い張る。彼は掏摸もへま、7年間働いていた板金工場もへまで辞めさせられていた。うまくいったのは石塚の名前を語り、人助けをしたことだけ。

 矢部は罪滅ぼしのためにゴリを恨む前科者カードの洗い出しを手伝う。その時、ゴリは刑事という商売が実際は割に合わないことを矢部に力説する。だが、隙を見て、途中で逃げようとする矢部。彼は「今日の3時までに職安に行かないと失業保険がパーになる」と言い訳をする。

 その序でに昨日、掏摸を捕まえたことを告白する。もちろん逃がしてしまったことも。「渋谷から諸町行きのバスでスリを捕まえた」と話しているとボスがゴリの前に新聞記事を突きつける。そこには「八千万円のダイヤ盗まる。バスの中で宝石デザイナー」という見出しが踊っていた。

 当事者である吉見宝石デザイナー(飯沼慧)宅を訪れるヤマさんとゴリ。本人は心労のため、横になっていた。「そこに犯人を早く挙げてくれ」と現れたのが高辻セイイチロウ(渥美国泰)というこの宝石の持ち主であった。ヤマさんは彼の顔に見覚えがあった。

 建設会社とナイトクラブを一軒経営していて、政財界を揺るがせた大詐欺事件の取り調べの関係者と記憶を出したが高辻は惚けた。彼は吉見氏に宝石は時価8000万円、保険で5000万円入るから差額の3000万円を冷たく要求して帰った。

 ダイヤを掏った男はその頃、例の二人組にアパートで縛られ監禁、その上に暴行を受け、ダイヤの在処を吐かされていた。この掏摸は矢部の証言から源蔵(江幡高志)という初老の箱師だということが判明した。

 二人組は遊園地のベンチの下からダイヤを発見するとナイフで用済みの源蔵を刺し殺した。七曲署の面々は疑問を手繰っていった。偽ゴリが何故、ダイヤを持っていたことを二人組は知っていたのか?そもそも二人組は何故、ダイヤの事を知っていたのか?これらは高辻へと繋がっていった。

 おそらく保険金+損害賠償金を受け取ろうとして、彼が仕組んだことだと思われた。二人組は2年前に同業者を脅した時に使った男達に似ているし、ナイトクラブ経営も実際は左前であった。

 しかし、証拠は何一つなかった。長期戦を覚悟した面々に活を入れたのは矢部だった。ボスは彼の心意気を汲み取り、「ある作戦」を新宿駅で決行するのだが...。

 ジーパン心の叫び 「ゴリさん、ひょっとすると〜あっちのゴリさんの方が人間が出来ているかも知れないですねぇ」「きったない野郎だなぁ」



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