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アレなんだよなぁ〜!?

92. シンデレラ刑事

【出演者】石原裕次郎、松田優作、(関根恵子)、露口茂、竜雷太、小野寺昭、下川辰平、青木英美、佐々木剛、西朱実、井岡文世、石垣恵三郎、若尾義昭、小倉雄三、山本純一、永谷悟一、伊藤健、多々良純【監督】児玉進【脚本】田波靖男・四十物光男【音楽】大野克夫(音楽)、井上尭之バンド(演奏)【原作】魔久平

【あらすじ&ジーパン心の叫び】

 ズタ袋を被り、川っぷちで張り込みを続けるチョウさん。煙草もなくなり、しけモクを拾う羽目になる。何気なく視線の先にはゴミを拾う浮浪者風の男の姿が映る。そんな最中、ゴリが車で交代にやって来る。

 チョウさんは麻薬の取引現場を押さえるために一週間もここで張り込みを続けているのだ。だが、そんな二人の会話を突然、時限爆弾が遮る。ゴリは車の鍵をチョウさんに渡すためにボート小屋から少し離れたために九死に一生を得た。

 調べによるとタイマー付き時限爆弾には何と3本ものダイナマイトが仕掛けられていた。早速、二人に恨みを持つ前科者リストの洗い出しが始まる。30年に渡るチョウさんの刑事歴は半端ではなかった。自信を持っていたゴリも実績では足下にも及ばなかった。

 捜査は現場にいた浮浪者とダイナマイトの出所から開始。間もなく、ジーパンが本庁の人事課にチョウさんの警官時代のことを執拗に聞きだしていた電話があったことを突き止める。チョウさんはボスから安全のために拳銃を持って帰宅することを勧められるが彼は「家族が却って心配する」という理由で断る。

 そのため、ジーパンがチョウさんのボディガードに立候補する。しかし、彼の下手な尾行はチョウさんにばれてしまう。結局は自宅に上がり、夕食をごちそうになるジーパン。野崎家も息子の俊一(石垣恵三郎)は4月から高校入学、彼の姉(西朱実)も父とジーパンに酒を注ぐほどに成長していた。

 その時「外で銃声が?」。ジーパンは直ぐに反応するがそれは俊一の説明によると車のバックファイヤーであった。その後、家族団らん中、今日の娘のニュースは「遺産で揉めている親子の話題」。父も内容は知っていた。

 高畠という商事会社を経営する父がもう会社を解散して、道楽息子じゃなくて、昔、恩を受けたお巡りさんに遺産を渡したいというものだった。そのお巡りさんが判明したのは何と七曲署だった。翌朝、チョウさんは記者に取り囲まれる。

 23年前、堀川交番勤務だったチョウさんが無銭飲食で捕まえたのが渦中の人物・高畠ヒデアキ(多々良純)だったのだ。彼はみんなに茶化されるが内心は穏やかでなかった。ボスの許可を得て、直ぐに高畠氏を訪ねる。今度はゴリが護衛に付いた。

 この件からチョウさんはこの遺産問題に絡んで狙われたものだと思われた。現状では確かに息子に一番動機はあるがそれ以外の人物もデンカが洗い出すことになる。高畠ヒデアキは恩を受けたチョウさんの前で「20億の遺産」について語った。

 信念から人を信じない彼が無銭飲食で捕まった時、腹一杯飯を食わせてくれたチョウさんの恩が忘れられないというのだ。隣にいた息子のシンイチ(佐々木剛)はグータラだからダメだと決め付けていた。彼も反発して、社員の生活を考えて、父を禁治産者にする準備もあると脅した。

 事情は分かったチョウさんとゴリは外に止めてあった車で署に戻ろうとする。だが、途中で立ち寄ったガソリンスタンドでエンジンルームから再び時限爆弾が発見される。即座に人々を巻き込まないように彼らは晴海の埋め立て地に向かう。危機一髪で最悪の事態は免れる。

 仕掛けた犯人はボート小屋の一件と同一だと考えられた。誰かがプロの殺し屋を雇っている。一方、デンカの調べによって、23年前に山崎ミオという高畠商会で働いていた事務員が息子の認知をヒデアキに迫ったが断られたという一件があったのを聞き込んでいた。

 引き続き、この件を洗うのと後はヤマさんが時限爆弾犯の割り出し、ゴリは息子のシンイチをマーク、ジーパンはチョウさんの護衛に付いた。デンカがミオの息子(若尾義昭)に会うと母親が未婚の母であることは知っていたが父のことは全く知らないと言う。

 しかも、その母・ミオは既に4年前亡くなっていた。他方、ヤマさんはある飯場で盗まれたダイナマイトを事件で使われたモノだと断定する。チョウさんの家では父の状況も分からずに20億円が入るということで娘も息子も脳天気になっていた。

 この報を嗅ぎつけ、週刊誌の記者や親類縁者も多数来たという妻。自分の置かれた立場と家族の変化にチョウさんは居たたまれなくなっていた。その後、デンカの捜査でミオの息子は近所でも評判が良く、物静かで模型飛行機好きの好青年だと判明した。

 ゴリは女性とデートに出掛けるシンイチを尾行していた。あるレストランでシンイチらが出ていった後に彼宛に電話が入る。シンイチに成り済まし、ゴリは電話に出る。それは彼に雇われたという殺し屋からだった。「明日、チョウさんを殺す」という内容でその電話は切れる。

 野崎家では相変わらず、別荘や店屋物など実に楽天的な会話が続いていた。ボスは万全の手を配して、窮地に立たされたチョウさんを守ろうとしていた。そんな彼に電話が掛かる。それは「家族の者を巻き添えにしたくなかったら外に出ろ」というものだった。

 チョウさんは犯人の指示通り、ベランダに出るとラジコンの模型飛行機を確認。皆に迷惑を掛けたくないと思う彼は外に出る決心をする。チョウさんを狙う犯人の接点はこの模型飛行機だったのだが...。

 ジーパン心の叫び 「シンデレラ刑事さ〜ん。一夜明ければ億万長者。なんか夢のような話ですね」



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