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94. 裏切り
【出演者】石原裕次郎、松田優作、(関根恵子)、露口茂、竜雷太、小野寺昭、下川辰平、青木英美、横山リエ、宮川洋一、山口嘉三、所雅樹、遠藤孝子、菅原慎子、菊地正孝、河合良子【監督】木下亮【脚本】鎌田敏夫【音楽】大野克夫(音楽)、井上尭之バンド(演奏)【原作】魔久平
【あらすじ&ジーパン心の叫び】
スーパーで万引きをして逃げる女。2人の警官はやっとの事でこの派手な化粧に赤いハーフコートの女を捕まえる。一方、七曲署ではゴリが浮かない顔でご出勤。訳を聞くとお見合いをした彼女がテレビディレクターと二股を掛けていたらしい。
ボスは気分転換をさせるために神奈川県の江の崎署へデンカと共に出張を命じる。それは中光産業の売上金2億5千万円を持ち逃げした女子事務員を護送することであった。その女は何とスーパーでせこく下着を万引きして捕まった。そう、冒頭の赤いハーフコートの女だった。
ゴリとデンカは小田急ロマンスカーで江の崎に向かう。ゴールデンウィークのために車内はアベックが多かった事が尚更、ゴリの女性不信を助長させた。その頃、七曲署ではヤマさんがあるタレ込みについて話していた。
下田ゲン(宮川洋一)という掃き溜めを回って恐喝専門に生きている男が中光産業の事件に絡んでいるというのだ。ゴリとデンカが護送する女はとんでもない跳ねっ返りだった。例の女性問題もあって、ゴリは強引にパトカーに女を引っぱっていこうとする。
パトカーで江ノ島駅に行く間も腹が痛いなどとゴリらを困らせる女。この女は高村ヤエ(横山リエ)といい、下村と大阪で同棲していたことが判明する。駅に着くとヤエは何故か新聞を読んでいた男と目を合わせる。電車内で急にはしゃぎ出す彼女。2億5千万を盗んだ割にはヤエの服装は貧相。
小便を要求する彼女に付き添うデンカ。ヤエはトイレで手錠を外すためのピンを手に入れる。彼女は原町田駅でそれを使い、逃走を図る。他方、ヤマさんとジーパンは中光産業で飯野部長(山口嘉三)という人間に事情聴取していた。
二人のことは知らないと言っていた飯野も「奴ら・・・」と思わず口を滑らせてしまう。彼は山田カナコという女性に銀座で「クラブ・マリーナ」という所を経営させている疑惑があった。そのために多額の金が必要なのは想像に難くない。ロマンスカーではヤエがゲンの事を話していた。
「愛し合っている」と彼女は信じていた。そして、さっきの逃走劇が「彼のお膳立て」であることも吐いた。そこへ突然、アベックが新婚旅行の帰りだが二人だけの結婚式で「誰も祝ってくれないので祝って下さい」と懇願して来る。その上で「手作り弁当を食べて欲しい」と語った。
デンカは躊躇ったがゴリとヤエは彼らを信じて食べ尽くす。そのゴリが新宿駅で急に腹痛を催す。原因はサルモネラ菌だった。ゴリの他にヤエも直ぐに病院に運ばれる。ゴリは病院でボスに面会を求める。猛反省をするゴリだったが事件の鍵になることをボスに話し始める。
男の指に青いインクが付いていたことから長年、印刷業に携わっている者だと告げる。簡単に人を信じたことを悔やむゴリ。七曲署の面々はサルモネラから病院か研究所を青いインクから印刷所関係を洗い始める。ゴリはヤエの病状を大層心配していた。
その後、ジーパンがある印刷工場でフミオ(所雅樹)という男をその絡みでチョウさんとデンカは上野駅でミツコ(遠藤孝子)という女を押さえる。取り調べで彼らは恋人同士でありながらお互いに罪を擦り付け合うという醜い姿。「下田に頼まれた事」と「金のためにやった事」は認める。
下田は飯野の使い込みの情報を掴んだ上で彼を脅し、上乗せされた金額を盗んだヤエを殺してしまえば良いと考えていた。
ゴリは病室で正直にこの件をヤエに話すが「惚れた男を信じる」と取り合わなかった。そして、彼女は取り調べに連行される少しの隙をつき、下田に会いに行ってしまうのだが...。
ジーパン心の叫び 「だいたい、ゴリさんの思いやりと優しさが分からん女なんて・・・やっぱ女じゃないすよこれは」