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アレなんだよなぁ〜!?

22. ア・ホーマンス A HOMANCE

【出演者】松田優作、石橋凌、手塚理美、片桐竜次、平沢智子、剛州、梅津栄、加藤善博、工藤栄一、伊藤洋三郎、新屋英子、中村育二、ジャンボ杉田、船橋淳、古庄一誠、岡村つこ、二東ミサ、野瀬哲男、飯田浩幾、萩原紀、福井章子、藤原益二、森美智夫、大石源吾、松岡滋、川口仁、志賀実、渕上大二郎、小林栄次、樋口邦雄、原和航、上村英幸、清水進一、横内直人、杉浦宏俊、隈本吉成、高山広士、河合紘司、菊川予市、寺島進、ポール牧、石橋蓮司、小林稔侍、阿木燿子【プロデューサー】黒澤満、青木勝彦【監督】松田優作【脚本】丸山昇一、松田優作、狩撫麻礼・たなか亜希夫(原作)【音楽】奈良敏博、羽山伸也(EX)、A・R・B(歌)【撮影】仙元誠三【製作会社】東映=キティ・フィルム【製作年】1986【上映時間】99′【封切日】1986.10.10

【あらすじ&感想】

 ヤクザの抗争が蔓延り緊張する中、その男は突然、単機筒に乗ってジュクに現れた。そこのシマを取り仕切る大島組や浮浪者達は謎の男の登場に騒然となった。

 男の素性を知ろうと彼らは躍起になっていたが記憶喪失らしい男はそれを意に介していないようであった。そんな中で大島組の若衆の頭である山崎道夫(石橋凌)が公園に野宿するその男を訪ねる。男は何故か山崎に仕事の世話を頼む。

 山崎は不思議な雰囲気を醸し出す男気に触れて、その男を自分が仕切るキャバレーのボーイにする。だが、男はそこで危機を助けた女.ルージュ(平沢智子)を成りゆきで抱いてしまう。

 シマの掟を破った男だったが山崎は何故か彼を優しく匿う、そして男の名前を風【ふう】(松田優作)と名付ける。

 そんな折に大島組は組長以下、藤井辰巳代貸(ポール牧)、山崎など一同が集まる。その時に組長が対立する旭会組員に弾かれてしまう。山崎はいきり立つが藤井が一見冷静な判断をして彼を止める。藤井は山崎に頃合を見て、相手の副会長を殺せと言う。

 そんな藤井の考えに納得出来ない山崎は内縁の妻.杉本千加(手塚理美)の所に戻り、御飯を貪る。そんな気持ちが収まらないまま、彼はシャブの取引に向かう。車の中には何故か風が乗っていた。彼は山崎の手伝いを強引に買って出た。

 その効力は黒井組との取引を終えた後に表れた。風は両方のヤクザの車の前に立ちはだかる数十人の暴走族を一人で追い払ったのだった。二人はこの後、ずっと尾行していた福岡徹(小林稔侍)という刑事らに取り調べを受ける。だが、自白しない二人はやがて釈放される。

 釈放された山崎は組を捨て、組長の弔いに走り、そんな山崎を藤井は彼の舎弟にばらせと命じる。それと同時に見せしめのため山崎の愛妻.千加を犯す。

 その頃、風は記憶に住むという不思議な女占い師.赤木加奈子(阿木燿子)に出会った後、藤井に会い、彼から「山崎をばらせ」と命令されるが逆に藤井を山崎に指一本でも触れたらと脅迫する。

 そして、遂に山崎は旭会会長を弾く。そんな彼は愛するちかが営む花屋の前で藤井が送ったヒットマン達に撃たれてしまう。その現場には風の姿が...。

 冒頭の風演じる松田優作の幻影的なオートバイの映像とビートの効いたBGMが印象的である。これはブラック・レインでリドリー.スコットが撮った大阪の街の映像と音楽に似通ったものを感じる。

 そして随所に挿入される花屋の千加に扮する手塚理美の初々しい表情と不可思議な女占い師演じる阿木燿子のショットが非常に効果的であった。役の中でもホステスに本番を迫る石橋蓮司はいつも通り酒に酔っていたのだろう。

 優作はこの映画で監督、脚本、主演の一人三役をやっているが彼が描きたかったのは人間を突き詰めていき、一つの完成系が実は人間ではなく、感情を持たないサイボーグなのだという問いかけではないか。

 それを映し出すには無国籍な雰囲気を持つ新宿というのは場面設定がピッタリはまっている。その映像(夜景)が揺れるシーンは無感情なサイボーグにも怒りを持つことがあるという事を示唆しているのだと思う。

 何れにしても風のセリフを出来る限り少なくして、ヤクザという最も人間くさい山崎に扮する石橋凌と絡ませることにより、場面展開によってのお互いの心理状態を見ている者に感じとらせるということに優作と丸山は頭と心を割いたのではないか。私の馬鹿な頭で想像出来るのはそんなところでしかない。しかし、含みを持たせたこの作品は優作のファン以外の方々にも是非観賞していただきたい。


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