Yusaku Market
松田優作さんのDVD、ビデオ、CD、本などが、
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アレなんだよなぁ〜!?

2. ともだち FRIEND

【出演者】阿部仁志、鈴木典子、斉藤建夫、石井聖孝、松原和仁、榎本哲也、古賀真佐代、馬場祐美、宮崎かよ、西村ひろみ、その他たくさんの子供たち、地井武男、牟田悌三、松田優作、谷口香、高原駿雄、下川辰平、石井富子、原田美枝子、五條博、高山千草、橘田良江、黒沢秀幸【演出】沢田幸弘、岡本孝二、斉藤信孝、川崎善広【脚本】勝目貴久【音楽】小杉太一郎【製作】服部紹男、成田弘一【製作会社】日活児童映画室【製作年】1974【上映時間】86′【封切日】1974.7.24

【あらすじ&感想】

 1975年ベオグラード国際児童映画祭グランプリ(ユニセフ大賞)受賞。文部省選定。キャッチフレーズ「子どもの心に愛と希望・知恵と勇気を!」舞台は川崎の扇町小学校。

 当時、京浜工業地帯に属していた川崎は工場から吐き出される煤煙公害のために喘息が大問題となっていた。この学校の6年1組戸山級にも体育の授業を一人教室で綾取りをしながら待つ少女がいた。彼女の名は斉藤良子(鈴木典子)といい、この喘息という病気のためにクラスの中で疎んじられていた。

 「大黒屋給食センター」という弁当屋の息子でガキ大将だった松村新太(阿部仁志)もその一人であった。しかし、何の因果か新太はある日、席替えで良子の隣になってしまう。担任の戸山(地井武男)に彼は不満を伝えるが戸山は活発でサッカー少年の新太に良子を助けてくれと頼む。

 嫌々ながらもそれに応えるかのように新太は良子にサッカーのゴールキーパーを強制的にやらせる。一度はこの行動を止めようとした戸山だったが自分がこれまで余りにも良子に過保護であったと思い直す。いつもの悪ガキ仲間の二人は良子の事を煙たがるが新太は良子を親身になって心配し始める。

 実は良子は岩手で事業に失敗した両親と一緒にこの川崎に転入してきたのだった。新太は仲間内の秘密の基地も教え、更にお互いの夢をも語る。だが、良子は男子ばかりではなく、金持ちの綾子(古賀真佐代)を筆頭に殆どの女子にも嫌われていたのだった。

 新太は壮んに自宅に良子を招こうとするが彼女は諸事情から遠慮する。どうしても家に招きたい新太は姉の忠告で勉強で頑張れば、彼女を呼ぶことが出来るのではないかと考える。必死に「頭の良くなる本」なども読み、勉強に打ち込む新太を事情の知らない父.長一(牟田悌三)と母(谷口香)は頼もしく思い、従業員の小松(松田優作)は逆立ちやラーメンなどで陰ながら応援する。

 けれど、理由を知った両親は良子の病気のために自宅に招くことを拒む。このやりきれない思いに新太は土砂降りの中、飛び出しが例の基地も仲間の裏切りによって入り口を塞がれ、翌日に急性盲腸炎となり、病院に入院する。

 両親は息子の急変から戸山を訪ね、事情を把握することによって良子を受け入れる準備をするが彼女は病院や新太の自宅を前にあと一歩を踏み出すことが出来ない。遂にその壁を破り、自分が愛するリスを持って新太を訪問する。

 新太は病気が回復し、良子とも悪ガキ二人ともサッカーで再び繋がり、教室の仲間も良子に好意的になるが九十九里浜行きのフェリーを前に彼女は岩手に転校することを告げる。そして叔父.正吉(下川辰平)と一緒に岩手に行き、元気良く暮らしていると1ヶ月後に手紙をくれた良子だったが...。

 子どもが映画の90%の時間出演しているまさしく教育作品である。

 大黒屋の従業員.小松役で出ていた松田優作は全編あわせても3カットくらいしか出ていない。彼に期待しているのなら相当のマニアでない限り、見ない方が良い。あくまでも主役は子供達である。

 ちょっと気になったのが新太の姉役で出演していた殆ど子どもの様な原田美枝子である。酷い大根役者であったがなんとなく当時から存在感はあったようである。だが、これは少なくとも大人が観賞するフィルムではない。



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