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4.　あばよダチ公　GOODBYE, FRIEND

【出演者】松田優作、大門正明、河原崎健三、悠木千帆、砂塚秀夫、初井言栄、下川辰平、山本麟一、丘奈保美、榎木兵衛、山西道広、木島一郎、高橋明、沢田情児、雪丘恵介、五條博、長弘、吉井亜樹子、薊千露、大山節子、久遠利三、矢藤昌宏、森みどり、叶今日子、中平哲仟、玉井謙介、北上忠行、庄司三郎、浅野謙次郎、谷文太、清水国雄、森正親、小見山玉樹、菅原義夫、男喧太、高山千草、深雪けい子、ながいゆうこ、吉沢恵、宝京子、宝洋子、宝高子、宝なな、東まみ、東節子、佐藤蛾次郎、郷瑛冶、加藤千代子【監督】澤田幸弘【脚本】神波史男【音楽】コスモス・ファクトリー【製作会社】日活【製作年】1974【上映時間】93′【封切日】1974.11.22

【あらすじ＆感想】

　浦和駅から東京・中野刑務所帰りの男が3年振りに川淵の実家に戻る。彼は本名を夏木猛夫(松田優作)、通称モウ(猛)といった。だが、強盗殺人未遂を起こした彼を母.とみ(初井言栄)も姉.美津子(悠木千帆)も疎んじていた。

　居たたまれなくなったモウは町に昔の仲間を探しに行く。昔からの悪いダチ公-梅(佐藤蛾次郎)、雅(河原崎健三)、竜(大門正明)。彼らはみんなモウの出所を喜んでくれた。3人はモウに女を宛おうと夜の街に繰り出すが支払いの段階であるキャバレーと揉めてしまう。警察に捕まり、そこでも一悶着起こす4人の仲間。やっとのことで釈放されるがウメが「性事」と「政治」を勘違いし、又街頭で喧嘩をする。

　その後、リュウの部屋に戻った4人は寝ようとするがそこにシン子(加藤千代子)という竜の遠い親戚に当たる若い女が訪ねてくる。そして彼女は長く帰っていない実家で父親.源太郎(山本麟一)がダム建設に反対して立て篭っているという。

　これは金になると踏んだモウはシン子に優しい言葉を掛ける。その一方で彼女が一緒にいるために特に梅と雅は落ちつかなくなり、それを治めるために竜はシン子とモウを結婚させようと提案する。即席で三三九度をあげた二人とあと3人は立ち退きの補償金をせしめるために車を盗んでシン子の実家に向かう。

　そこで会った彼女の厳格な父親にたくさんの酒をふるまい、酔わせて追い出してしまう。それと同時にその家の権利書をも手にする。万事うまく運んでいた5人だったがこれから先はモウとシン子の新婚生活にあてられて、3人の下半身は爆発寸前になる。

　その反面で村人や水資源開発公団の面々は彼らのことを苦々しく思っていた。公団は遂に地元の半田建設というヤクザ組織の会社に彼らの追い出しを依頼する。報酬はダム工事を優先的に発注するということであった。

　その一方で下半身が破裂寸前の3人のためにモウは事もあろうにシン子に彼らのセックスの処理を頼もうとする。断固拒否された4人は街に出て、強奪した猟銃を突きつけ、3人の女を強制連行する。そして約束手形20,000円で遂に念願のまぐわいに成功する。

　翌日、梅の相手をした桜子という女から手紙が来たのは実は半田建設の罠であった。人質に取られる梅を助け出そうとするモウ以下仲間達。モウはシン子に権利書を返して、梅の救出に向かう。そして半田(郷瑛冶)の手下から彼を救い出すことに成功するがモウらの金に対する欲望は終ぞ収まることがなかった...。

　この映画はエンディングまで見ると「あばよダチ公」というよりは「また、こんちわダチ公」という感じである。

　全体的には4人のダチ公が青春の欲望のままに行動するという「俺達に墓はない」と共通する骨子を持っている。ただそれと同様に低予算で制作した安易なフィルムということは否めない。

　娯楽作品としてはそれなりに楽しめるが映画としての完成度は低いだろう。それでも最後の場面で日活の悪役だった半田建設の社長に扮する郷えい冶の演技の雰囲気が妙に重々しくて感動した。まあ、優作ファンの皆様、暇があったらご覧下さい。

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